断腸亭料理日記2019

おでん

11月10日(日)第二食

おでんの季節、に入った。

TVなどでも取り上げられているのを見る。
ご当地おでんも話題である。

静岡おでん
牛すじが入り、ドッロッとし、彼の地の名物の
青魚のすり身を平たくした黒はんぺんなども入り、
魚粉をかけて食べる。

うまいものである。
その他に、金沢おでんなども最近は話題。

今年、気になったのは、沖縄おでん。

沖縄の方もおでんは好物とのこと。
沖縄では、昆布もよく食べるし、鰹節の出汁文化もある。
練りものもあるだろうし、すぐにおでんが出来上がりそう
である。
そして、なんといっても特徴は豚足が入る、という。

コラーゲン質でうまい、のであろうが、
私自身はほぼ豚足は食べたことがない。
全国的にも豚足を食べる習慣があるところは
かなり少ないだろう。
伝統的には、南九州の宮崎、鹿児島、そして沖縄、か。
ともあれ。
豚足の入った沖縄おでん、一度食べてみたいもの
で、ある。

と、いうことなのだが、やっぱり、シーズン初っ端には、
私の、アイデンティティーといってもよい、
東京おでんを食べねばいけない。

どんなに、マイナーになろうが、私は東京おでんを
食べ、ここに書き続けなければいけない。
これは私の使命と心得る。

買ってくるのは、いつもの通り、練り物中心のおでん種の
セットになったパック。
色々入っているので、よい。
これに、好みの種を足す。

つみれ。
すじ。もちろん、練り物の。
ちくわぶ。がんもどき。
そして、里芋(セレベス)。

今、おでんの種で人気No.1は大根らしいが、大根は入れない。
いや、別段嫌いではないのだが、優先順位として、この下
あたりになる、のである。

作る。
最初に、ゆで玉子である。
二個。

小鍋に湯を沸かし、玉子を入れる。
ふたをして弱火で、10分。
火を止め、冷水に入れておく。
皮をむくのは、よく冷えてから。
よく冷やすのは、きれいにむくための鉄則。

次に、里芋とちくわぶの下煮。

里芋は一つ。
一杯あっても食べきれない。
皮をむいて、二つに切る。
大きめがいいだろう。

ちくわぶもちょっと、大きめに切る。

圧力鍋に里芋、ちくわぶを入れ、水。
ふたをして、加熱加圧。

圧が上がって、弱火にして5分。消火。

あとは、放置調理。

30分後。
ふたを開け、確認。
OK。
柔らかくなっている。

煮込む大きな鍋に、最初に昆布。

下煮した、里芋、ちくわぶ。
パックの練り物類。
すじ、つみれ、がんも。

あ!。
冷蔵庫に木綿豆腐があった。
奴にでもして食べようと昨日買ったのだが、
食べていなかった。
これも入れてしまおう。

つゆは、酒、しょうゆ、水、のみ。出汁なし。
具材から出る味が、出汁なのである。
下品といわれようが、これが元来の東京のおでんである。

水も少量。真っ黒に煮込む、のである

ようは、東京のおでんは、煮物なのである。
魚の煮付けでも、東京下町では、真っ黒に煮込む。
このバリエーションなのである。

味の染みやすいものは、30分でよい。
(まあ、それだけしょうゆの濃いつゆということである。)

1時間。

一皿目。ちくわぶ、里芋、すじ、つみれ。

この色、で、ある。しょうゆで煮〆たもの。

おでんといえば燗酒。燗酒の選択肢も考えて、切れていた
菊政宗も買ってきたのだが、まだ、ビールでよいか。
栓を抜く。

食べる。
ふむふむ、十分に染みている。

おでんには私は、からしは付けない。
脂ものでもないので、いらない。

セレベスという里芋は粘りが少ない。
芋の煮っころがし、というと里芋であったが、
世の中からなくなっているのでは、なかろうか。
濃いしょうゆ味と、里芋の相性は抜群である。

二皿目。豆腐、がんも、ボール、揚げ、もう一回すじ。

子供の頃には、さつま揚げの類はあまり好きでは
なかったが、最近やっと、うまさがわかるようになった。

さて、この時点でよい味のものは、すぐにつゆから
上げておかなければ、とても食べられなくなる。
プラスチック容器に移して、また明日。

 

 

 

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