断腸亭料理日記2020

北寄貝ぬた

3月13日(金)第二食

さて。
昨日の北寄貝、で、ある。

もちろん、冷蔵庫に入れてあった。

こんな感じ。

北海道産。三つ。
むき身、で、ある。

出して、水洗い。

北寄貝。
鮨やには、置いている貝であろう。

しかし、考えてみると、東京で食べられるようになったのは、
そう古くはないだろう。

吉池で買ったが、もちろん、高級ということもあろうが、
今でもスーパーでは日常的に見かけるものではない。

子供の頃には、鮨やにもなかったのでは
なかろうか。

北寄貝というと、北海道。

私には、ラッコが腹の上にのせて、殻を割っている
あの貝。そんなイメージではなかろうか。

そもそも北寄貝とは、なにか?。

ホッキは、なんと正式名称ではない。
私は、今回調べて初めて知った。

日本の正式名称はウバガイ。
北寄貝(ホッキガイ)というのは、北海道での呼び名らしい。

事実、漁獲量のほとんどは、北海道のよう。
そして次が青森。(ウィキ)

ただ、生息域はもっと広く、茨城の鹿島灘以北とのこと。

東北などでは以前から鮨として握られていたり、
ご飯に炊き込んだ北寄飯は知られている。

ウバガイというのは茨城での呼び名のよう。
また北海道のホッキはアイヌ語が語源とのこと。
(以上「市場魚介類図鑑」)

さて、むき身三つ分。

鮨やだと生でにぎることもあるが、これは
ゆがいた方がよいだろう。

ひもや貝柱も付いているが、そのままゆでる。

ゆでると黒っぽい色から、赤身が増してピンクというのか
紫に近い色になる。

すぐに冷水でしめる。

鮨種にするのは、身というのか、足の部分。
ひもや、貝柱は取る。
今日もそうしよう。

北寄は一度だけだがさばいたことがあった。

足の部分を開いて、中に黒い部分や綿のような
部分があるので、これらをきれいに洗い取る。

よいかな。水気をふき取り置いておく。

昨日買った、分葱。

分葱は長いが、先の方の青い部分はよけて、真ん中から
下を使う。

切って、白い部分と青い部分を分ける。

丼にお湯を入れ、白い部分を入れ、レンジ。
30秒。
加熱しすぎは厳禁。
水が出てしまうし、食感、味もよろしくない。

様子を見ながら、もう10秒程度。
急いで冷水で洗い、水を換えてもう一回。
ざるにあげる。
続けて、青い部分。
こちらは、15秒、20秒。
同様に冷水でしめ、ざるにあげ、白い部分と合わせて
ペーパータオルで水気をよく拭き取る。

酢味噌を作る。
酢味噌は、西京味噌の辛子酢味噌が一般的だが、
八丁味噌と西京味噌、基本半々。
さらに酢は今日は、例の赤酢100%で行ってみようか。

八丁味噌と西京味噌を赤酢で溶く。

味見。
酢味噌にすると、赤酢であれば、旨味が増えそうな
気もしたが、これはあまりわからない。
味噌の方が味が強いのであろう。
甘みが足らないので、西京味噌だけ追加。

OK。

盛り付け。

ビールを開けて、食べる。

むき身三つ分なので、計六枚。

北寄というのは、火を通すと驚くほどあまくなる。
また、生ぐささ、えぐみのようなものもほとんどない。

酢味噌がなくてもよいくらい。

うまい。

もちろん、分葱もうまい。
いくらでも食べられる。

やはり、ぬたは分葱の方がうまくできる。

いつもは手近にある長ねぎを使っているが、
長ねぎの白い部分は硬く、よい具合に熱を通すのも
よりむずかしい。

ただ、私の場合、分葱はぬた以外には使わないので
余ってしまう。専用に買ってくるのはやはり
もったいない、のである。

 


※明日からしばらくお休みをいただきます。

 

 

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