断腸亭料理日記2021

熊本からし蓮根/桂花拉麺

今週は、もう一回、ショートバージョン。

2月17日(水)第二食

熊本からし蓮根

上野松坂屋で見つけて買ってきた。

売っていたお兄さんが言っていたので、
30秒ほどレンジで温めた。

 

からし蓮根、見かけると買って食べるが、
うまいもんである。

ご存知の通り、熊本の名物。

辛みはさほど強くない。
衣が付いており蓮根の穴に黄色い詰め物が
入っている。

からし蓮根、なにものであろうか。
ちょっと他にはなく、不思議な食い物ではなかろうか。

ウィキによれば、詰めるのは麦味噌に和辛子、
蜂蜜などを合わせた辛子味噌。
衣は小麦粉にターメリックなどで黄色にしたもの。
ゆでた蓮根にその辛子味噌を詰め、衣をつけ、油で揚げる。
熊本に江戸期からある家庭料理で正月などに食べる
ご馳走であったよう。
細川の殿様も食べたといい、伝統食といってよさそうである。

朝鮮半島などに比べて、日本の伝統的な料理、食品には
辛子、唐辛子、わさび、、など辛いものを使ったものは
そう多くはない。辛子で思い浮かぶのは辛子茄子あたり?。
先日のゆず胡椒もそうだが、九州という地域性、
であろうか。

では、辛子、和辛子というのは、なにものであろうか。
それが気になってきた。
意外に知らないことに気が付いた。

カラシナ、というアブラナ科の菜っ葉植物が原料。
この種から油を抜き、粉にしたものが粉からし。
これに水を入れて練ったものが練りがらしで
いわゆる和辛子になろう。
ちなみに、九州の高菜もカラシナの変種らしい。
また、欧米のマスタードは、近い種類で地中海原産の
シロガラシというものの種。

カラシナのルーツは中央アジアあたりらしいが
弥生時代には既に日本列島にあったらしい。
葉っぱ自体を食べるのと種を辛子として利用する。

和辛子が伝統的な調味料であるとすると、
古くからのものがあるだろうと調べると、やはりあった。
地からし、というらしい。
他地域にもありそうだが九州ではなく、
福井県が特に有名らしい。 (麩市)

少なくとも江戸期には作られていたようである。

ただ、カラシナは種を粉にして辛子にするよりも、
高菜のように漬物を含めてちょっと辛い菜っ葉として
食べる方が多かったのかもしれない。

特に結論はないのだが、おもしろい。次。

2月18日(木)第一食

今日は、これ。

熊本ラーメン[桂花]、で、ある。

アマゾンで取り寄せた。
2食入り。

どのくらいの方がご存知であろうか。
熊本ラーメンの店である。
からし蓮根と熊本が続いているが、
まったく意図していなかった。偶然である。

新宿に数軒ある。

私が、インスタントを除いてしょうゆ味以外で
最初に食べたラーメンである。
いわば原体験的なもので、今でも時折無性に
食べたくなる。

新宿を通って高校に通っており、西武新宿線から
地下鉄丸の内線に乗り換える途中、アルタの裏の
店で食べるようになった。

高校に入った年が1978年(昭和53年)である。
[桂花]の創業は1955年(昭和30年)熊本市である。
東京に進出したのは早く、1972年(昭和47年)、
これは新宿三丁目の末広店。

これは東京に九州のとんこつラーメン、いや、
しょうゆ味以外のラーメンの店ができた
最初ではなかろうか。
博多のとんこつが東京に最初に進出したのがどの店で
いつなのか、わからないのだがそれより前に[桂花]が
出てきたのではなかろうか。

特徴はとんこつ(+鶏ガラ)スープに焦がしにんにく油の
マー油が入ること。これがかなりクセになる。
そしてちょっと堅めの丸麺。味付け玉子。

パッケージにマー油発祥の店、と書いてある。
マー油は元々は中華のものだが日本でラーメンに
使った[桂花]はかなり早い近い時期のようである。

博多のとんこつで堅めの麺は今は東京でも当たり前だが
新鮮であった。またしょうゆ味を染みこませた
玉子も東京ではまだなかったかもしれぬ。

いずれにしても、東京ラーメン史でもエポックメーキングな
ラーメン店であると思うし、私には原体験のラーメン
である。

そんなわけで、こんな時期なので、取り寄せ。
半生麺なので常温で着いた。

前夜、玉子をゆで、しょうゆと酒で煮て
そのまま漬けておいた。

麺とスープ、マー油だけなので、スーパーで
お惣菜のチャーシューと、必ず入る茎わかめを
買ってきた。

麺をゆでるのは1分30秒と書いてある。
堅さが命なので、これは厳守した。

出来上がり。

食べる。

ほぼ、桂花。
店で食べるものの90%以上のでき。
茎わかめもよいのである。

大満足。

 

 

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