断腸亭料理日記2022

断腸亭の年越し2022 その2

4002号

12月31日(金)〜1月1日(土)

さて、ほんとうの年越し。

といっても、昨年とほぼ同様。
ただ、コロナもあって、段々と簡略かしている
のは確かではある。

大晦日、曇りで寒い。
私の仕事は、神田[まつや]へ予約した年越しそばを
買いに行くこと。

ただ、天気予報では、小雪、とも。

寝坊して起きたのは12時すぎ。
急いで顔を洗い、着込んで出かける。
ステンカラーのコートにいつも通り、手ぬぐいを
首に巻いてさらにマフラー。
寒いので下だけは、レインコートのズボンも履いて、
手袋、自転車で出る。

例年は、上野広小路の和菓子や[うさぎや]で
どら焼きを買っていたのだが、コロナ禍で、
店の外に長い列で、昨年はあきらめた。
今年もきてみると、やっぱり外に長い列。
この寒さにやっぱり並びたくはない。
あきらめて、神田須田町へ。

[まつや]の年越しそばは、生そばを持ち帰りで
買える。一応予約をしておき、大晦日に買いにくる。

売っているのは、店ではない須田町路地裏の別の場所。

[やぶそば]も同様だが[まつや]も店で食べようと
いう人の長い列。

正月のお菓子は近所、小島町にある根岸[竹隆庵岡埜]の
出店でとらが焼き(どらやき)を調達。

帰宅。
寒かった、寒かった。
手袋をしても手がかじかんでしまった。

帰ると、頼んでおいたお節が届いていた。

これももうなん年もお世話になっているが、
市谷砂戸原町の[鮨太鼓]のもの。
年々値上がりして、今年は40,000円也。
https://www.dancyotei.com/2022/jan/osechi_shinagaki.jpg

三段重で、鮨。

福寿司といっている、ばらちらし。
品書きを写しておく。

蒸し鮑、蒸し雲丹、煮穴子、枝豆、酢蓮、海老おぼろ、
錦糸玉子、干瓢、がり。

一ノ重。

紅白蒲鉾(小田原鈴廣)、伊達巻、ゆず柿、田作り、
黒豆、丁呂儀、いくら、なます(三浦野菜)、栗きんとん、
(川越いも使用「江戸屋東園」)、鰊昆布巻、子やりいか。

二ノ重

車海老、磯つぶ貝、数の子白麹漬け、からすみ、
鰆西京焼き、はじかみ、鴨スモーク、麩まんじゅう。
煮物、里芋、人参、はす、くわい、筍、ふき、椎茸、
梅生麩。

時代なのであろう、段々に薄味になってくる。
薄味でもよい塩梅で味付けがされているおり、
なかなか、どれもうまい。

気に入ったのは、田作り。
今までは、しょうゆの甘辛蜜だが、これは黒糖。
甘いのだがしつこくなく、うまい。

[まつや]のそば。

箱を開けると、

缶入りのつゆと生そば3人前、白い長ねぎのセット。

紅白の後、ゆでて食べる。

ねぎを切って、水にさらしておく。
わさびは、買い置きの生をおろし、
つゆに鶏肉とねぎを長く切って入れた。

昨年、ざるそば用に竹のざるを買っておいた。
やっぱり、感じが出る。

そして、文句なく、うまい。

大晦日に[まつや]の生そばが家で食べられるのは、
幸せ、で、ある。

あけて、元旦。
私の仕事だが、火鉢に熾した炭を置き、
餅を焼く。

餅は、むろん角餅。
今は真ん中に十字の凹みが入っており
こうして炭で焼くときれいに中央がふくらむ。

この丸い網。
餅網、というと思うのだが、
別段、餅だけを焼く網ではない。
私は牛肉の塊でローストビーフも焼いているし、
魚も焼ける。
だが、餅網、と、いう。
どういうことであろうか。
昔であっても、年柄年中、
餅を焼いていたわけでもなかろうし。
どこの家にもあって、餅を焼くのには
絶対に使っていたのは間違いなかろうが。

で、出来上がった、
拙亭の雑煮。

鶏がら出汁のしょうゆ味。
ゆでた里芋、小松菜。三つ葉を散らす。

毎度お馴染み、ではあるが、少しずつ変わっている
断腸亭の年越し、で、ある。

 

 

 

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