断腸亭料理日記2022

西浅草・中華料理・十八番

4109号

6月15日(水)第一食

今日は合羽橋から、浅草方面。
曇りで気温はさほど高くはないが、雨は
降りそうにはない。

なにを食べようか、例によって、
特段のアイデアはない。

合羽橋道具街の東側裏通り。
13時台。

あ!。
十八番]。

久しぶりに行ってみるか。

町中華ブームではあるが、それ以前、
“きたなシュラン”からだったのか。
ともあれ、もはや有名店といってよいだろう。

場所を文章で書こうとするとなかなか難しい。
合羽橋道具街の通りの東側、合羽橋の信号から
南へ二本目の通り。
角に小さな公園があるが、その対角の角。

現代の地図

どうでもよいが、この公園の名前が気になった。
ここは区立のようだが、西浅草川村公園という。
たいてい、公園の名前というのは、地名だと
思うのだが、川村って、なんだろう?。
ここは西浅草。旧町名は田島町でどちらも
関係なさそうなのである。
明治の頃は、安養寺というお寺。江戸の頃は、
名前が少し違うが安行寺といっていたよう。
(この経緯は未調査)

江戸の地図

さらに余談だが、田島町内、安養(行)寺の東側には
江戸の頃から誓願寺という大きなお寺があった。
誓願寺は地図に門前と書かれたものがそうだと思われるが
誓願寺店(だな)と呼ばれる家作、長屋も持っていたようで、
落語(人情噺)「唐茄子屋政談」にも出てくる。

また江戸期は安行寺の南は幕府大御番組の組屋敷でこの界隈、
お寺と武家屋敷しかなく、正式町名はなかったところ
といってよさそう。ちなみに「江戸明治重ね地図」の
地名表記は組屋敷は「浅草本願寺後」、安行寺は
「浅草新寺町」とある。

誓願寺の山号が田島山といっていたので、明治になり
田島町と付けられたようで、やはりこの界隈のランドマーク
といってよかったようである。
ともあれ、川村公園であった。
お寺のあと、川村さんという方の土地であったとか?。
区立なので、区に聞いてみようか。
まあ、かなりどうでもよいが。

さて[十八番]。
カウンターとテーブル三つほどの小さな店。
いかにも町中華。

創業を調べると昭和38年(1963年)、
なんと私の生まれた年。
浅草寿町にあった[十八番]の暖簾分けという。
(散歩の達人)

今、寿町に[十八番]はないと思うが、同じ名前の
[十八番]は界隈だと、小島町と柳橋にもある。
これらはなんらかの関係があるかもしれぬ。

今のご店主は、創業者の奥さんで高齢だが、
今も店に立たれている。(同)
(高齢の女性はお二人いるが眼鏡を掛けられて
いない方の方のよう。)

料理をしているのは、二人の巨漢男性だが、
と、いうことは、息子さんということではないよう。

入口は開け放たれている。
のぞくとほぼ満席。

奥のテーブルだけ開いていた。
あそこへどうぞ、と。

壁を背に、掛ける。

さて、なににしよう。
こういうところでは、ぐずぐず考えていてはいけない。
ぱ、ぱ、っと、決めねば。
ご飯ものが食べたい、とは漠然と考えていた。
が、やはり、ここは麺か。

前にも食べたことがあったと思うが、
壁の貼り紙で一番大きい、酸辣湯麺。
それから、ミニのご飯物。
いくつかあるが、麻婆でいってみようか。

酸辣湯麺とミニ麻婆丼と、眼鏡のおかあさんに頼む。

酸辣湯麺からきた。

麺は細麺。

初めてではない。

酸辣湯麺というと、しょうゆ味のスープで
ラー油と酸味。溶き玉子、細く切った肉、たけのこ、
豆腐、中国ハムなども入る、というのが、まあ、
常道であろう。

馥香

市ヶ谷の[中国飯店]でも好きでよく食べた。
まあ、ここのものは、一般的な酸辣湯麺ではないことは
明らかではあろう。

ラー油に酸味もある。
だが、なにしろ、生のトマト入り。
トマトは入れなかろう。
キャベツも普通は入っていない。
また、スープが塩味というのも大きな違い。

ただ、かなりうまいし、具沢山でボリューミー。

酸辣湯は中華でも一般的だが、酸辣湯麺というのは、
さほど一般的なものではないと聞いたことがある。
日本でできた、あるいは一般化したメニュー
といってもよいのかもしれぬ。

であれば、好きに作ればよい?。

名前はちょっと?であるが、別のものとして
十二分にうまいことは間違いなかろう。
トマト酸辣湯麺ではどうであろうか。
ともあれここ、アレンジメニューでもなかなかのもの。
ただの町中華ではない。

そして、ミニ麻婆丼。

これはちょっと甘めの町中華によくある
麻婆の味であろう。

ちょいと、食べすぎだが、うまかった。
ご馳走様でした。


台東区西浅草2丁目18-7
03-3844-0108

 

 

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