断腸亭料理日記2022

東日本橋・あひ鴨一品・鳥安 その2

4048号

引き続き、両国!米沢町のあひ鴨一品[鳥安]。

前菜、吸い物が終わり、いよいよ真打の登場。

合鴨のすき焼き。

肉は、胸肉、ささみ、もも、レバー、ハツ、
挽肉、そして脂身。

野菜は、春菊、ねぎ、椎茸、ピーマン。

お姐さんが焼いてくれる。

脂身から脂を出す。

挽肉は丸めてつくねにして、焼く。

全部、焼いて丸くしたおろしじょうゆの取り皿へ
取ってくれる。

まったく、きれいなもんである。

そして、極上のよい焼き加減。

火を通しすぎるとすぐに縮んでしまう。
ただ、脂身はこんがり焼きたい。

合鴨というのは、そもそもなんであろうか。

ウィキペディアを調べると、マガモとアヒルの
交雑交配種、とのこと。だが、生物学的には
アヒルも合鴨も、マガモであるらしい。

つまり、マガモは天然のもので家禽、人に飼い
ならされたものを合鴨、あるいは、アヒルも色が
真っ白だが、同じといってよいようである。
猪を飼い、なん代か経つと、豚になるというが、
似たようなものなのであろう。

合鴨は中国から渡来しているようだが、時代的には
平安の頃とのこと。
食べている歴史はそれなりに長いようである。
以来、家禽として育て、食べてきたのであろう。

試みに、鶏、ニワトリも調べてみた。
ニワトリの原種は、東南アジア、中国南部の山地。
以前に私も、NHKのTVで視た記憶がある。

鶏、チキンはむろん世界中で食べられているが、
そんな一か所の生息品種が、世界中に広がっているのは、
おもしろい。
飼い始めた時代は、紀元前8000年または4000年といい
定まっていないようだが、いずれ狩猟採取文化の頃で
当初は食用ではなく祭祀用とのこと。
やはりニワトリは鳴き声に特徴があるから。
日本へは中国経由で弥生時代には入ってきていたよう。
弥生遺跡から骨が出土しているらしい。
稲作とともに、ということになろう。

閑話休題。

肉と椎茸とねぎ。

またまた、きれいにのせる。

このねぎも、浅草のねぎ問屋[葱善]ではなかろうか。
太く立派なもの。

レバにつくね。

つくねも、うまい。
そういえば、合鴨のつくねの焼いたものは
珍しいかもしれない。
まあ、ハンバーグである。
そばの鴨せいろのつゆにつくねが入るが、焼いたもの
ではない。

レバは鶏とあまりかわりはないかもしれない。

これが、ハツ。

コリコリ。

しかし、この合鴨すき焼き、味は甘くもせず、
おろしとしょうゆだけ。
まったくシンプル。
脂が強いだけに、このシンプルさがよい
のである。

そろそろ、終盤。

脂を出し切って、カリカリになった脂身。
くたくたになったねぎと、春菊。

牛のすき焼きにも入れるが春菊というのも、
東京の鍋には欠かせない、と思ったのだが、
元来は関西のもので関東で栽培されるようになったのは
戦後のよう。

ご飯と赤だし。

少し、肉を残しておけばよかったと思ったが
先に食べ切ってしまった。

デザート。

ごまのプリン。
上にのっているのは、丹波の黒豆。

以上。

[鳥安]の合鴨すき焼き、堪能。

内儀(かみ)さんと二人で、ビール二本、
酒一本を入れて、二人で32,258円也。
まあ、さすがに安くはないが、うまいもんである。

ご馳走様でした。

 

 

鳥安

 

 

 

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