断腸亭料理日記2022

麻婆豆腐

4098号

5月31日(火)夜

さて、麻婆豆腐、で、ある。
暑くなってきたので。

もうそろそろ入梅なのであろうが、このところ
よい天気で気温が上がるので、私の体調もよい。
連休明けからずっとアレルギーがひどく、ぐずついていた。

ともあれ。
麻婆豆腐。

いや、麻婆豆腐というのは、ほんとうに難しい。

もちろん、うまい麻婆豆腐を作りたいのである。

毎度書いているが、麻婆豆腐というのは、
味が実に幅広い。
我々の世代であれば、小学校の給食のものだったり、
丸美屋のものなどが原体験であろう。
むろん、これらもうまい。

また、中華料理店のものも実に幅が広い。
町中華、広東料理店のもの。
本場四川料理の看板の店のものも味は一つではない。
ラー油や唐辛子の辛み、花椒の痺れ、
また甘味も強弱がある。色も黒いもの、赤いもの。
この度合いも店によって様々。

どれも、そこそこうまいのに、幅が広い。
カレーに多少似ているようにも思うが、
なにか違う。なにが違うのかわからないのだが。

ともあれ、もう30年作っていると思うが、
どこを目指せばよいのか、依然、定まらないのである。

調味料はいつも使っているものがある。
花椒(ほわしゃお)、ねぎ、にんにく、生姜もある。

豆腐と豚挽き肉だけを買ってくる。

最初に、豆腐を賽の目に切る。
鍋に湯をわかし、豆腐を投入。

煮立てないように10分ほど加熱しておく。
スが入るので煮立ててはいけない。

これは豆腐を堅くし、崩れにくくするため。
加熱することで、水分が抜けるのではなかろうか。

生姜は数枚スライス、にんにくは2かけら
包丁の腹で潰す。

中華鍋を煙が出るまで熱し、一度油をまわし捨て、
再度新しい油を入れる。

強火。にんにく、生姜を投入。

香りを出し、豆板醤を投入。
油と馴染ませる。

ここに挽肉。

よく炒める。

炒めるのは、油が出てくるまで、なのだが、
この挽肉、よいのかわるいのか、脂が少なかった。

油を足す。
カラカラになってしまったので、ほんの少し水も。

ここから、肝心の味付け、調味料の配合である。

甜麺醤と、最近使い始めた豆チ醤。

どちらも、同量でこのくらい。(大さじ1弱?)
今まで、甘味は控えた方がよいと思い、
甜麺醤は入れないか、入れてもほんの少し。
麻婆豆腐のレシピでは、やはり砂糖を入れているのが
一般的である。

今回は、甘味を少し意識するため、甜麺醤を
多くしてみようと考えたのである。
四川料理店の麻婆豆腐は赤いよりも黒いものもある。
黒いのは甜麺醤の量が思ったより多いのでは、とも
考えた。

味覇(ウェイパァー)。

白いのが味覇。

水、日本酒、紹興酒、濃口しょうゆ。
赤唐辛子粉末、ラー油、胡麻油、沙茶醤、砂糖。

煮込んで、味見。

どうであろうか。
なにか、もう一つ足らない。
深み?、塩味?。

なんでも入れればよいというものでもないが、、、
八丁味噌も足してみよう。
そもそも、八丁味噌は豆チの代わりであったが、
豆チ?を手に入れてからは入れていなかった。
これも大さじ1弱。

ふむふぬ、なんとなく、まとまってきたか。

ゆでてあった豆腐をざるにあげ、湯を切って、
投入。

長ねぎみじん切りも投入。

合わせて。

水溶き片栗粉を用意し、

お玉の背で回しながら、ゆっくり投入。

かなり堅めを目指す。

花椒を一つまみとって、あたり鉢で軽くあたる。

皿に盛って、花椒を散らす。

出来上がり。

ビールを開けて、食べる。

これ、かなりよい。
再現性はアヤシイのだが、かなり理想的な
麻婆豆腐になっていると思う。
甘さはやはり必要、ということか。
もちろん、甘さだけではなく、豆チ醤、しょうゆ、
八丁味噌も入れているのコクと塩味も強めにした。
そして、そこそこの辛み、味覇の出汁。

なかなかよいところまできたのではなかろうか。

 

 

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