断腸亭料理日記2004

新宿・居酒屋・ぼるが

4月12日(月)夜
18:00新宿で仕事終了。
御徒町あたりでもよいが、
せっかくだから、新宿で、一杯引っかけて帰ろう。

新宿は、実のところ、私にとっては
以前のホームタウンであった。
高校時代、中野富士見町にある都立高校に通っていたため
西武新宿線から、丸の内線に乗り換える。

今は知らぬが、当時、20年以上前、の都立高校は少し、独特の雰囲気があった。
学生運動の影響で(といっても、その時代からは15年以上経っていたが)
制服は着ない、私服。

もちろん、おおっぴらにはダメだが、大学生気取りで、コンパ。
酒やタバコも普通であった。
当時、かなりの進学校であったため、勉強だけはちゃんとする。
後は、自由。

このため、高校生のくせに、歌舞伎町、ゴールデン街、三丁目、二丁目、西口
呑んで歩いていた。
(もちろん、毎日ではない。そんな金はない。
何か行事のあった後のコンパである。)

また、結婚後すぐ、住んだ町が明大前。
仕事でも、長く、新田裏の得意先を担当していたこともあり、
新宿との縁は、かなり深く、同僚とゴールデン街などへもよく行った。

その後、葛飾から、浅草と、下町へ移り、今ではすっかり、
下町人のつもりになっている。
(ほんとのことをいうと、私鉄沿線、東京郊外、練馬で育ったため、
下町への憧れのようなものが強かったのである。
父、祖父はもともと、大井(品川区)の生まれ育ち。
ひい爺さんあたりまでさかのぼると、江戸時代は、あのあたりの庄屋
であったようだ。)

かなり横道にそれた。

新宿ボルガ。

実のところ、ここは、初めて。
戦後の闇市(20年代)からある。

もとは、しょんべん横丁(思い出横丁)で始めたらしい。
今の、小田急ハルク裏に移ったのは、昭和30年代という。

ボルガという名前と、山小屋風の造り。いかにも、この時代のものである。
三丁目のどん底lも、似たような時代のもので、こちらには、よく行った。
(歌声喫茶(居酒屋))

ボルガ、どん底、どちらもロシア(ソビエト)由来の名前であることは
言うまでもない。
戦後すぐの若者文化は、まず、共産主義から始まった。

さて、ボルガ。ここは、5時台には店を開けていたと思う。
早い時間から、焼きとんの美味そうなにおいがハルク裏の路地に漂っている。

今日も、暖かかったため、この匂いを嗅ぐと、ビールである。

入ると、この時間でも、かなりにぎわっている。
カウンターに座って、池波正太郎を読みながら、

焼きとん一皿5本で、\500。瓶ビール1本。

ちょいと、引っかけて帰るには、いい店である。



住所: 東京都新宿区西新宿1-4-18

TEL: 03-3342-4996


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