断腸亭料理日記2005

浅草・もつ焼き・喜美松

322日(火)夜
浅草四丁目。言問い通りの向こう側。千束通り商店街をしばらく行く。
信号を超えて、右へ折れた路地。

知る人ぞ知る、もつ焼き、焼きとんの名店。
浅草に住みながら、知らなかった。

千束通り商店街界隈。
観音裏の料亭街、隣のお富士さんのある象潟(きさかた)、
とも、ちょっと、雰囲気が違う。

もともと、浅草のこのあたりの成り立ちを考えると、
江戸までさかのぼれば、浅草田圃。
そして、俗に、奥山、と呼ばれ、観音様の向かって左手から裏手は
茶屋や、見世物小屋などのある、いわゆる、歓楽街として、
発展していった。

六区の浅草オペラ、演芸、映画などの興行街。
そして、花やしき界隈。花やしきは、
見世物小屋の発展系と位置付けられよう。
珍しい動物、奥山閣と呼ばれる塔などもあった。
また、今のひさご通りの牛鍋屋、米久の裏手あたりに、
有名な十二階(凌雲閣)(これも、塔)があった。
そして、地域的には、その右手側は、今の、観音裏の料亭街、
さらに、その右は、宮戸座などの芝居小屋のあった、猿若町、
馬道、象潟付近。
そして、六区の、ひさご通りの奥にあたる位置が、千束通り商店街、
さらに、その左奥、新吉原へと、つながっている。
(すべて北へ向かって)

明治、大正、昭和。東京屈指の一大、観光・歓楽街であろう。

そんな、歴史を持つ界隈である。

さて、その千束通り商店街裏あたり、
周りとくらべて微妙に、雰囲気が違う。
なんと表現したらよいのか、、、。

一言でいうと、深い、という感じであろうか。

さて、会社帰り、田原町からテクテク歩いて、来てみた。
店名の喜美松、「喜」の字は、本当は、七を三つ書いたキである。

写真

入り口は、格子のはまったガラス戸のまわりに、
丸い樽のような木のアーチがついている。

中に入ると、思ったより広く、
近所の雰囲気と比べ、店内は明るい。
それもあってか、常連さんばかりで、敷居が高い感じでもない。

右側が調理場、カウンターがあり、
真ん中にテーブル席、左側に小上がりの座敷。

近所のサラリーマンであろうか。女性も含めて、
なかなか、盛り上がっている。

もつ焼きや、としても、随分きれいな感じである。
いわゆる、よごれ系、ではない。

調理場には、ご主人、女将さん、
それから、運んでいる若い女の子、3人ほど。

サワーや、日本酒よりも、なぜか、生ビールが最も安い。
そこで、生をもらい、
焼き物、レバ、タン、シロ、鶏つくね。
ポテトサラダが名物だというので、これも。

ここは、生のモツのメニューも多い。
レバも焼いてあるが、中は、レア。噂どおり、飛び切りうまい。

追加で、煮込みをもらい、芋焼酎のロックにする。
煮込みも、柔らかく、かつ、フレッシュな感じである。

モツは、鮮度が命である。
仕入れルートなど、いろいろ、秘密があるのであろう。

このモツのクオリティー、稀少である。

居心地もよく、よい店である。

先週のひどい二日酔いもあり、今日は、このへんで退散。

雨もしょぼしょぼ、降っており、ワンメーターちょい、タクシーで帰宅。



電話: 03-3874-5471
住所: 台東区浅草4-38-2


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