断腸亭料理日記2004

煮はま・豆腐の煮たの

3月7日(月)夜

煮はま(煮はまぐり)が食べたい。

さて、そうそう、寿司屋でもなかろう。
自作をしようか。

最近、蛤は、在来種が激減。と、いうようなニュースがあった。

最初から、中国産、と、書かれているものは、いわれなくとも、
在来種ではない、ことはわかる。

今、はまぐりには、3種類あり、内湾性のもの、これが、もともと
ハマグリ、といっていたものらしいが、減少の一途をたどっているという。
また、同様に在来種であるのだが、
外洋性の、チョウセンハマグリ、というもの。鹿島や波崎などから東京へ
入っているのはこれらしい。
そして、シナハマグリ。中国産で、筆者ななどが買う安いものは、
軒並みこれである。安く小型であるが、味は、よい。

ニュースの趣旨は、国産であるが、前記の外洋性のチョウセンハマグリを
ハマグリ、と呼んで、売るのは不当表示では?
と、いうようなことであったのかと思う。

ともあれ、中国産のシナハマグリと、そこそこうまい、木綿豆腐を買い、
帰宅。

豆腐は、銀座・お多幸の豆腐を再現したかったのである。

おでんの豆腐を自宅で再現するのは難しい。
鰹や、昆布など、出汁をとることはできるが、
おでん鍋の、他のものから出る味は再現できるはずもない。

たまたま、冷蔵庫に、里芋と、ねぎの煮たの、があり、これは、
かなり濃い目の出汁で煮てあったので、鍋に戻し、
これをベースに、しょうゆ、酒、砂糖を少々足す。

あの、濃い味にするため、しょうゆはかなり多めに足す。
まっくろ。

はまぐりは、時間もないが、水に浸し、砂をはかせる。
豆腐は、煮過ぎると、スが入るので、適当なところで止め
落着かせる。

30分ほど。

煮はまぐり、本当は、剥き身を煮るのであろうが、
剥き身など、できるわけもない。

はまぐりをきれいに洗い、ヒタヒタの水で煮る。
殻が開いたところで、火を止め、殻をはずす。

出汁はちょうどよいので、豆腐を煮ている鍋に入れてしまう。
そして、今度は逆に、豆腐の鍋の出汁をはまぐりの鍋に入れ、
さらに、気持ち、しょうゆを足す。

はまぐりも、煮過ぎては身が縮むだけ。
軽く沸騰させて、同じく、しばらく置く。

穴子の甘だれを、久々に取り出し、一度レンジ加熱し、
はまぐりにかける。

(ここだけは、ホンモノの寿司屋、のようである。
前にも書いているが、拙亭には、穴子を煮た汁を煮詰めた甘いたれがある。
もしかしたら、かれこれ、10年以上経っているかと思う。)

終了。



豆腐もはまぐりも、なかなかよい。

豆腐は、やはり、甘味(砂糖)がポイントであった。
お多幸のおでんには、甘味も利いていたのである。
色も味も、なかなか、よく仕上がった。

はまぐりも、小さいが、甘だれをかけると
それらしいものになった。



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