断腸亭料理日記2004

豆腐の田楽

5月15日(土)午後
「鬼平が「うまい」と言った江戸の味」逢坂剛・北原亜以子(文)
福田浩(料理再現)PHP文庫、という本を見ていた。

鬼平の料理の再現本は多いが、
これは、大塚の江戸料理の料亭「なべ家」のご主人で
江戸料理の研究家でもあられる、福田氏が再現されており
二人の作家が文章を添えている。

京料理という言葉はあるが、江戸料理、という言葉は、
今、あまり使わない。

先頃、NHKで「菊亭 八百善の人びと」(原作 宮尾登美子)
というドラマをやっていた。ご覧になられた方もいるかもしれない。
八百善のことは、筆者、前から知っていた。
八百善は、ペリー来航の折の饗応料理を作った料亭でもあり、
江戸料理というと、まずこの店が思い浮かぶ。

いずれしても、江戸料理である。
少し、研究したくなった。

まず、豆腐の田楽。
これ、鬼平に限らず、池波作品にはよく登場する。
また、実際に、当時、よく食べられていた料理でもある。

今、東京では、ほとんど食べられていない料理では
ないだろうか。

また、田楽は菜飯とセットで登場することが多い。
豊橋(愛知県)にはこの二つを売り物にした
老舗の料理屋(きく宗)もある。

菜飯は一度、作っている。これはうまい。

木綿豆腐を二丁、菜っ葉を買いに出る。

豆腐のパックを開け、俎板の上に乗せ、水を切っておく。

菜っ葉は、菜飯には、大根がいいが、なかなか、
葉の着いた大根は売っていない。

小松菜にする。

小松菜の葉の部分だけを微塵切りし、
すり鉢でする。(青汁のようなものができる。)

これを、沸騰した湯に入れ、湯がき、
浮いてきたものを、漉し取る。(これを、青寄せ、というらしい。)

さらに、これを白味噌に入れ、練っておく。

例によって、炭を熾し、七輪を用意。

太く平たい、竹串がよいのだろうが、
普通の竹串しかないので、豆腐は1cm×3cm程度の

小さめの短冊にし、竹串を横から2本刺す。

豆腐に味噌を塗り、焼いてみる。
水切りが不十分なのか、なかなか、
焦げ目の付くような状態にはならない。

ゲ、ひっくり返している間に、豆腐が崩れてしまった、、、。

もう一度、俎板の上で、ペーパータオルで包んだ豆腐を、
手で押し、水をよく切る。

あまり強く押すと、豆腐の中にひびが入り、
また、焼いている間に、崩れそう、、。

もう一度、焼く。(本を見直すと、先に焼いて
仕上げに、味噌を塗って、味噌に焦げ目を付ける、
のであった、、。)

まあ、それらしいのができた、、。
う、、。やはり、あまりうまいものではない。

妻にも、味見させる。
「豆腐の味が、すべてだね!
ハナマサの豆腐じゃだめだよ!」

またまた、生意気な、、。
しかし、その通りかも知れない。
豆腐の味が、すべてなのか。

段々コツをつかみ、いくつか焼いてみるが
まあ、豆腐と味噌の味以外、なにものでもない。

豆腐がうまくなっても、どうなのであろうか?

味噌が焦げ、香ばしいさは、よい。

基本的に、筆者、豆腐そのものには、あまり興味がない。
最近は、水にこだわったり、材料、製法にこだわった
一丁、数百円の高価なものもでており、
ある種、ブームになっているが、ピンとこない。

筆者には、それほどのものとは感じられない。

味の違いがわからないと言っているのではない。
うまくなっても、豆腐は豆腐である。

食指がそそられないということである。
豆腐といえば、冬、焼豆腐を甘辛く煮付けたものや、
おでんの、豆腐は好物であるのだが、、。

豆腐の田楽。研究のための、料理になった。

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