断腸亭料理日記2004

鴨鍋と鴨飯

10月24日(日)夕食
さて、今日は、少し前から鴨、と決めていた。

最近、何度目かの読み返しの「剣客商売」。

「おはる」が作る、鴨鍋と鴨飯。
これが、うまそうであった。

鴨鍋は、拙亭では、正月など、
特別な時には食べることになっているメニューになっている。
そばの、「鴨せいろ」も好物であり、鴨には目がない。

午後、買い物に出る。

鴨肉は、ハナマサ(千束)で調達。
合鴨。タイ産、というのがちょっと気になるが、
気にしていたのでは、切りがない。
500gで¥1000程度。

台風で、野菜が急騰している。
ねぎと、芹。ねぎは、一把四本で¥400。

芹、なのであるが、なかなか、ない。
田原町の、赤札堂に、クレソンがあったので、これ。
(芹はクレソンでも代用できる。)

帰宅し、まず、凍っていた鴨肉の解凍。
(今日は、半分だけ使用。)

米を研いでおく。

解凍したもの、さらに半分を、鴨飯用に、下拵え。

脂身と、肉に切り分ける。
脂身を煮出し、出汁にする。
気持ち、酒としょうゆを入れる。

この出汁で、飯を炊く。
(堅めモード。)

赤身の肉は、細かく切り、これは、酒としょうゆで
煮ておく。固くなるので、煮過ぎない。

さて、鴨鍋から。

鴨鍋は、鴨と、クレソン。
筆者は、ねぎよりも、芹(クレソン)の方が好みである。

すき焼き用の鉄鍋である。

作り方も、まったく、すき焼き同様。
脂身を先に、鍋に入れ、脂を広げ、酒、しょうゆ、砂糖で

煮ながら、卵で喰う。

ここでも、鴨肉が、固くなるので色が変わったら、すぐ食う。
まごまごしてると、肉は水分がなくなり固く、縮み、
脂だけになってしまう。

鴨肉、鴨の脂、甘辛のしょうゆ。
うまいこと、おびただしい。

クレソンもとても相性がよい。

さて、お楽しみの、鴨飯。

飯は、なかなかうまく炊けている。
丼に盛り、先ほどの煮た鴨肉を、飯にのせるだけ。

う〜〜む。
これは、初めてやってみたのであるが、かなり、うまい。

しょうゆと、酒のみであり、妻は、味が濃い、などと
言っていたが、このくらいが、よい。

自画自賛であるが、こんなうまい飯は、近頃、なかった。
夢中で掻っ込む。

大満足。

さて、食べ終わり、この文章を書くために、「剣客商売」の
くだんの、部分を読み返してみる、、、、、!。

ちょっと、引用。

『酒のあとは〔鴨飯〕である。・・・中略・・・、鴨肉はこそげて叩き、酒と
醤油で味をつけ、これを熱い飯にかけ、きざんだ芹をふりかけて出す。』
「池波正太郎著・剣客商売-辻斬り・新潮文庫」  から「老虎」115p。

ちと、ショック。

芹をきざんで、ふりかけるのであった、、、。忘れていた、、、。

また、肉は叩く、とあり、そぼろのように、する、のかも知れない。
もう少し大きく切ってしまった。

直前に、再度、読み返しておくのであった。

リベンジを期す!!


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