断腸亭料理日記2005

天神下・鮨・一心

4月8日(金)夜

随分、開いてしまった。

前回、1月であった。

桜も満開、上野、御徒町界隈も随分人が出ている。
混んでいるが、一人ぐらいは、座れる。

座敷に宴会も入っているようである。
毎度であるが、ここ、場所柄、ママと客、出勤前の同伴、という組み合わせが
多いのであるが、寿司は、しっかりしている。

ビールをもらう。
もう、酒よりは、ビールである。

腹も減っており、つまみではなく、いきなり握ってもらう。

まぐろ、鯛昆布〆(銚子)、平貝。一個ずつ。
(ここは、一個ずつでも、よい。)

いきなり、不思議な頼み方かも知れぬ、、。

ここも、太助同様、まぐろ、それも赤身が、あまく、うまい。
太助寿司は、筆者の最もよく行く、合羽橋の寿司屋である。)

ここ、一心は、柳橋・美家古(みやこ)鮨の流れで
仕事は昔風。まぐろも、いや、すべてのものが、
しょうゆと酒を合わせ、煮立てた(にきった)ニキリを
塗って出す。また、握りのご飯も、何もいわなければ、
大きい。これも、昔流である。

したがって、仕事をした、昆布〆などもよくある。

平貝は、このところ、太助で、気に入っていたネタである。

やはり、あまくて、うまい。

小肌。

鯵のしそ巻き寿司。

開いて〆た鯵一匹を外にし、大葉を間にはさみ、酢飯を巻き、
食べやすく切ってある。
筆者、光物には、目がない。
鰯とガリなども、巻いたりするが、光物は
こうした、巻物にしたものも、よい。

いか。
アオリイカである。

短冊に細く切ったものを、まとめて握ってある。
とてつもなく、うまい。
あまいのである。
聞いてみると、細く切ると、あまみがより感じられると、いう。

たこ。
いつもの、佐嶋のもの。
いつものように、柔らかく、いつものように、飛び切りうまい。

穴子。
今日、気が付いたのであるが、ここの穴子は、
四角く、と、いったらよいのか、穴子で
酢飯全体を、くるむように、握る。
これが、なかなか、よい形である。

江戸前の握り方は、見た目が、美しい。
小肌などもそうであるが、
皮目をひねり、形がきれいである。

煮貝。(鮑)
これも、ここの看板と、いってよい。煮はま、など共に、
煮た寿司ねたも、常時、置いてある。
これも、江戸前の伝統である。

穴子同様の甘いタレが塗られ、
とてもやわらかく、噛むと、旨みが口中に広がり、
飛び切りうまい。

また、海苔で、とめられているのだが、なぜか、
この海苔がまた、うまい。
(そういえば、今日は、海苔は、これだけであった。)

以上。

うまかった。大満足である。

ビール2本。これで、¥8000。
安くはないが、これだけの技と、ねた。
リーズナブルであると思う。


一心
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〒113-0034 東京都文京区湯島3丁目43−12




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