断腸亭料理日記2005

三ノ輪橋・うなぎ・丸善

7月9日(土)夜

ちょっと、足立区の方に出かける用があり、日光街道を北上。

前から気になっていたのであるが、日光街道沿い、三ノ輪橋の
ちょい、先。左側に焼鳥屋なのか、うなぎ屋なのか、
店先で焼いているのが見え、煙をモウモウと上げている店がある。
食べるところではなく、持ち帰る店のようである。

筆者が以前に住んでいた、葛飾四つ木などにもこんな店はよくあった。
(今でも、多分、なくなってはいないであろう。)

住所でいう、三ノ輪は台東区の北端である。
都電の三ノ輪橋駅は、荒川区南千住一丁目。
昭和通り(日光街道)と明治通りの交差点、が大関横丁。
地下鉄の三ノ輪の駅もこの交差点になる。
(どうでもよいが、昭和通りと、明治通りの交差点、というのは、
ここだけであると思われるが、ちょっと、おもしろい。)

江戸の地図

大関横丁、という名の由来がわかる。

大関伊予守、(野州黒羽一万八千石(やしゅう。下野国(しもつけのくに、現栃木県。))
の下屋敷があった。

この地図は上が南である。

金杉があり、三ノ輪。三ノ輪は、上町、中町、下町と分かれ、
その次が、下谷通り新町、と、なっていたようである。

山谷堀が屈曲し、根岸の里の方から流れていたのがわかる。

現代。 地図を重ねてみると、今の台東区と荒川区の境は、
この山谷堀であったようである。

三ノ輪といえば、浄閑寺(じょうかんじ)。
この寺も、ほぼ、江戸のままの場所にあることがわかる。

さて、持ち帰りうなぎの、丸善、である。
ご近所の方々には、知られた店なのであろうか。

三ノ輪も、いわゆる、お惣菜やさん、の多い町である。
拙亭の近所でもある、鳥越おかず横丁などは、有名であるが、
下町の商店街といえば、お惣菜やさん、である。
本当にどこにでもある。

この、お惣菜やさんが繁盛している町は、よい町であるし、また、
むろん、うまいお惣菜が、沢山売られている。
立石仲見世、なども、よい。
(誰も知らなかろうが、渋江銀座(葛飾区東四つ木)も、よい。)

佃煮、漬物、揚げ物(レバカツなんぞを揚げていたりする。)、
肉屋の焼売、、、、うまいものだらけである。
(下町の定義に、お惣菜やさんに活気がある町、と、いうのを、
入れてもよいかも知れない。)

店先に立ってみると、焼鳥などはなく、
まったく、うなぎだけ。

うしろのガラスケースには、なにやら、佃煮が並べられている。

焼かれているところをみると、炭。それも、備長炭のようである。
蒲焼は、一串、¥1100、¥1200、¥1300、の三種。
決して、安くはない。
(しかし、100円きざみ、というのは、ちと、珍しい。
松、竹、梅、ではないが、普通、もう少し、金額に差を付けると
思われるが、なぜであろうか。)

店は、おじさんと、おばさん、土間の奥で、お兄ちゃんも、見える。
当然ながら、家族経営である。

佃煮は、ハゼやら、海老やら、普通にあるもの、である。
中で、目を引いたのが、肝の佃煮。これは、うなぎの肝であろう。
ちと、珍しい。

選択基準がよくわからぬが、¥1100のを二串。

そして、肝の佃煮を買う。

さて、帰宅。

開けてみて、さっそく、ビールである。

蒲焼



縮尺が、ちょっと、わかりずらいかも知れぬが、
かなり、でかい。長さ、20cm弱はある。
これで、備長炭、炭火焼、¥1100は、安いであろう。

食べてみる。

炭の香りが、香ばしい。ばかうま、である。

肝の佃煮


これが、また、乙な味である。
甘過ぎず、なかなか、よいかげんに煮られている。

さすがに、三ノ輪、で、ある。よいところを見つけた。



地図



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