断腸亭料理日記2005

夏休み特別編・断腸亭

メキシコ・ロス・カボスへ行く 1.

皆様、夏休みを取られた方、お仕事をされていた方、
様々であろうが、残暑も厳しい中、いかがお過ごしであろうか。

筆者、先週木曜から、例年通り、ダイビングへ出かけたのであった。
年に一回のリゾートダイバーである。

昨年は、フィリピンのセブ島であった。

その1  その2

料理日記であるため、食い物の話しである。
日本では意外に知られていないが、フィリピンはなかなか、うまかった。
基本的には、しょうゆベースの味で、日本人の口には合うのではないかと
思われた。

さて、今年は、メキシカンである。どうであろうか。

ダイビングであちら方面では、大西洋側のケイマンへは
行ったことはあった。
メキシコへ行くのは、初めてである。

行ったところは、ロス・カボス。

ほとんどの方は、ご存知あるまい。
カルフォルニアのメキシコ側、といえばおわかりいただけようか。
もともと、カリフォルニアとは、広い地域を指し、アメリカ側と
メキシコ側に分かれているのである。
ロス・アンジェルスから南へしばらく行くと、メキシコに入り、
太平洋に細長く、北アメリカ大陸に沿って、カリフォルニア半島が横たわり、
バハ・カリフォルニアという地域になる。
カリフォルニア半島と大陸との間は、コルテス海という
長さ約2000km。細長いが、深さ数千mの入海になっている。
ここは、ひょっとすると、ご存知の方もあるかも知れぬが、
鯨の繁殖地で有名なのである。
鯨の繁殖期は冬から春で、残念ながら、この時期には見ることができない。

今回の、ダイビングの目玉は、アシカ、である。
ここはアシカと泳ぐことができる、と、いうので、有名なのである。
(今回、この目的は達成できた。海中で出遭ったアシカはオス。
砂地の海底で、なにをしていたのかわからぬが、
ゴロゴロと、転がっていた。ひげをはやした顔はかわいいが、
そばによると、大きく、ちょっと恐い。
ダイビングをされる方に、少し情報。
ここは、この他に、運がよければ、ピグミーマンタ、ジンベイザメ、
シュモクザメなどが見られる。
海は鯨が来ることでもわかるが、深海からの海流の影響で、
プランクトンが多く、基本的に、透明度は低い。
しかし、これと裏腹に魚影は濃く、魚種も多い。
豊かな海、ということである。
お世話になった、カボ・サン・ルーカスのダイビングショップ、
ディープブルー。  

とてもフレンドリーなショップ。オーナーはメキシコ人だが
その奥さんは日本人、日本人スタッフもおり、安心である。)

目的地のロス・カボスは、長いカリフォルニア半島の最南端の
リゾートである。
主なお客は、ロス・アンジェルスなどアメリカから。
一般的には、カジキなどのスポーツフィッシングのスポットである。

海辺のリゾートであるが、陸地の気候は、砂漠。
潅木とサボテンしか生えない乾燥地帯である。
このため、ここの本当のハイシーズンは、冬である。
夏は、暑すぎる。

ロスなどからの避寒地、ということなのである。
(というわけで、乾燥をしているが、かなり暑かった。
厳しい日差しと、気温は、昼間は、40℃を越えていた
のではないかと思う。汗をかいてもすぐに乾いてしまう。
なかなか、過酷なリゾートであった。
日中、おもてを歩こうものなら、熱中症間違いなしである。)

さてさて、食い物である。

まずは、これ。


ローカルのレストランに入ると、先ずは出してくれるセット。
もっとも一般的な食い物、といってもよかろう。トス・ターダスという。
席に座ると、無料で付いてくるところが多い。

左のカゴの中が、油で揚げたトルティージャ。
ドンタコスやドリトスというスナックが日本で(も)あるが
あれの、味の付いていないものである。
(またこの店は青い袋のクラッカーも付いている。)

中央手前が生のトマトのサルサ。(Salsa Mexicana)
ちなみに、サルサとは、スペイン語でソースのことである。
これも、とても一般的なもので、必ず出てくる。
他に玉ねぎ、生の唐辛子などが入っている。
(ちなみに、唐辛子のことを、チレ、と、いう。チリソースの
チリで、あろう。)
特筆すべきは、生のコリアンダーが入っていること。
メキシコ人もコリアンダーは大好きであるようで、
ほとんどの料理に入っている。
生の唐辛子も入っているが、量はさほど多くなく、辛くはない。
これはほとんどの料理に共通することで、基本的には、

ノーマルな状態では辛くはなく、辛いものに苦手の方でも、問題はない。

逆に、辛いものが欲しい場合はどうするか。
このテーブルにものっているが、テーブル奥に置かれている
別に出てくる辛いサルサをかける。
ここのものは、市販のものだが、レストランのオリジナルを
出してくれる場合もある。
こうしたサルサは、黙っていても出してくれる場合もあるが
出てこない場合もある。
どこでも必ず用意をしているので、いえば、問題なく持ってきてくれる。
(筆者は、必ず頼んでいた。)
ちなみに、写真では一番左のものが最も辛い。
(これ買ってみたが、一本、6ペソ(\70くらい)と安い。)

味と辛さは実に様々。基本的には、赤く、トマトベースであるが、
緑色のもの、赤黒いもの、などもある。

このトマトのサルサの右奥は、生のライムである。
これも必ず出てくる。メキシコ人は大好きである。
ありとあらゆるものにかける。
ライムは庭木として、家庭でも栽培しているようであった。
先の、トマトのサルサにもあらかじめ、ライムが絞られている。
ご存知かと思うが、ビールにも入れる。

ビールの話がでたので、少しビールのこと。
日本にも入っているコロナの他にも種類は多い。
コロナと同じ様な味では、ソル、と、いうブランドも一般的である。
メキシコで最も一般的なのは、テカテ、かと思う。
コロナよりは、若干、濃い感じであるが、メキシコのビールは
全般的には、日本のビールよりはアルコール度数が若干低め。
コロナなどはもともと、サラッとした味であるが、
他のものでも、ライムを絞る(そのまま潰して瓶に入れる)と、
爽やかで、飲みやすくなる。

暑いところである。
チレで辛く、コリアンダーで香り、ライムで爽やかに。
これで、食欲が出るのであろう。


長くなるので、今日は、この辺で。


↓食い物以外の写真です。
断腸亭料理日記2005雑感「断腸亭日常」:メキシコ・カボ・サン・ルーカス


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