断腸亭料理日記2005

合羽橋・太助寿司

8月2日(火)夜

ちょうどひと月、あいた。

前回は7/3であった。

今日は、このところ詰まっていた仕事がひと段落し、
一度帰宅。19時前、自転車で、一人で来た。

今日も宴会が入っているようで、忙しそうである。

カウンターに座る途端に、大将が
「最近、たいへんなことになってるよ」という。
筆者のページ以上に東京グルメのページ
を見て、遠くから、来る方もおられる、と、いう。

「1週間に、二組くらいはいるねー」
「気が抜けない」、とも、いう。

来てくださる方は、筆者の同世代から下、30代くらいの
方々が多いと、いう。

おまかせで、10K、というのは、あまり若い方では
そうそう来れる金額でもないので30代以上、ということに
なるのであろう。

寿司屋、と、いうもの、筆者も失敗や、悔しい思い、を何度もしてきた。
若ければ、安い金額でもないのに、老舗や有名店では、まず、馬鹿にされ
相手にもされない。また、それ以上に、こちら側も、
場慣れしていなければ、落ち着いて食べることもできない。
このあたりは、様々なガイドブックなどを見ても、行ってみなければ、
本当のことはわからない。

太助の大将もよく話をするが、東京の寿司屋にはランクのようなものがある。
頂点は、銀座、新橋、赤坂、、、などなど、以前は、接待に使う店、
芸能人や、有名人相手、の、老舗、高級店といったところ。
どう安くても、一人20Kは超え、まごまごすると、天井知らず。

筆者もこうしたところに行った経験が皆無、というわけではない。
しかし、落ち着いて食べられるわけもない。また、筆者の持論だが、
飲食店というもの、通わなければその真価はわからない。
こんな店に、通えるわけもない。

次に、挙げられるのは、いわゆるチェーン店であろう。
(もちろん、回転寿司ではない。)
多くは、築地○○、といった、ところである。
20代から筆者も長らく、そのあたりが行きつけであった。
一人、5〜6Kあたりで、そこそこのネタを、そこそこの腕で
食べることができる。
むろんのこと、悪くはない。

しかし、もう少し、よいネタ、腕、と、考えると、なかなか、
ない(わからない)、と、いうのが、今の、東京の寿司屋事情であろう。

みな、そういう情報を求めている。

自分で、飛び込みで探してもよいのであろうが、
それには、リスクが高すぎる金額。そういうことであろう。

もちろん、ここ太助は、電車賃をかけても、来る価値は絶対にある。

人それぞれ、太助にいらっしゃって、お好みにかなわなかった方も
おられようがもし、お気に召したら、そこそこお近くの方は、
話の種の、一度きりではなく、是非、二度三度、足を運んでいただきたい。

さて、またまた、ゴタクが長くなってしまった。

今日の太助。
つまみ。
「最高だよ!」と、出された、鰯(いわし)。
まこ鰈(かれい)。シャコ(子持ちであった。)ほくほく、うまい。
ぼたん海老(これも子持ち)、たこ、赤貝、いか(しろいか)、
大とろ(紀州)。意外に太助は、大とろはないこともある。
牛肉の霜降りのようである。

そして、今日の珍味、ふじつぼ。


これ、なるほど、珍味である。
焼いて出されたが、口をあけている、貝(と、いうのであろうか)の
中の、ほんの少しの身を食べる。
ちょっと、ほやのような食感で、潮の香りがし、うまい。

鯵(串木野)。押し寿司にしたものを大葉で巻いてある。

新いか(九州)。すみいかの子供。今が時期。
大きさも小さく、ほんとうにとろけるように柔らかく、うまい。

そして、お目当ての利尻の馬糞うに。言葉もない。
これを食べてしまえば、他のうには、別物である。

珍しく、蒸しあわびがあった。じんわりと、口に広がる滋味。
うまいこと、おびただしい。

大将が話していたが、この蒸しあわびの旨みや香りは
鶏の皮を入れて(煮る、蒸す?)、と、いうことである。
なるほど、そんな香りもする。
それぞれ、秘密の方法があるのであろう。一心のものは、
どうなのであろうか。

最後に、ひもきゅう。

以上。

うまかった。

追伸:今日は食べていないが、この時期、さっと炙った秋刀魚(にぎり)
「うまい、って、書いといて」、だそうである。

地図




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