断腸亭料理日記2005

豚生姜焼きと谷中しょうが

8月7日(日)第二食

久しぶりの自作であろうか。
(今日のものは、自作、というほどのものでもないが、、。)

なぜか、無性に、豚の生姜焼き、が食べたくなった。

毎日、毎日、暑い日が続いている。
生姜焼きは、よい。

鶏から揚げ、と並んで、豚生姜焼きは、まったく、
なんということのないメニューであるが、
筆者、時折、無性に食べたくなることがある。

もう一品。

昨日の、テレビ東京、アド街ック天国で谷中をやっていた。
これで、その名も「谷中」、という名前になっているが、
谷中しょうが。

夏のつまみ、といえば、これ以上のものは、なかろうかと思う。
簡単で、うまい。

余談であるが、谷中、というが、実際には作られていたのは、
谷中ではなく、隣りの、日暮里あたりであったようである。
谷中あたりは、地形的には、川をはさんだ傾斜地で
江戸の頃から、寺町、または、鬼平によく出てくる、
谷中いろは茶屋という岡場所などもあり、
そうした畑があったとも思われない。
日暮里では、谷中しょうがは戦後まで、
作られていたようである。

ともあれ、谷中しょうが、昔は、味噌を付けて、
焼いていたと、いうのである。
これをやってみよう。

夕刻、三筋のスーパーヤマザキへ買いに出る。
今日は、あまりの暑さに、一日、エアコンを掛けっぱなしであった。
外に出てみると、蒸し暑いことは蒸し暑いが、風もあり、存外、涼しい。

豚ローススライス、谷中を購入。

作る。

と、いっても、なんということもない。

しょうがをすりおろし、酒としょうゆでタレを作り、
スライスを漬ける。

谷中は一本一本に折り、TVによると、
切り込みを入れ、ここに味噌をはさんで、焼くようである。

味噌は、普通の信州味噌である。
なにぶん、谷中は小さいため、切り込みを入れても
味噌は、たいして、はさむこともできない。

豚ロースを焼く。
焼くくらいは、せめて、ていねいに焼こう。

フライパンに油を多めに敷き、
スライスを一枚一枚ていねいに広げ、弱火で焼く。
タレを煮詰めながら、肉に、色を付ける。

谷中は、TVで見た限りでは、多少、焦げ目が付く程度であった。
魚焼き用のグリルで焼く。

完成


ビールを開けて、呑む。

谷中。焼け具合は、よかろう。

食べてみる。

別に、なんということはない。

あたり前である。

焼いただけであるため、劇的な変化があるわけではない。
味噌が、多少焦げているが、これとても、
気持ち、焦げているだけで、まったく、なんということもない。

まあ、よい点といえば、味噌がはさんであるので、
食べる時に、付けなくとも、よいということか。

考えてみれば、現代の食べ方は、昔の食べ方から、
進化したのであろうから、生の方がよい、というのは、
あたりまえ、の、ことか。
しかし、そうすると、なぜ焼いていたのであろうか、
と、いう、疑問が出てくる。
習慣の問題であろうか。意外とそんなものかも知れない。

いずれにしても、谷中しょうが、というもの、
拙亭には欠くことのできぬ、なんとも、夏らしい、
うまいつまみである。

さて、生姜焼き。
これは、筆者好みに、そこそこ味濃く仕上がった。

うまい、うまい。
バクバクと、喰らう。

夏は、さっぱりと、こんなものに、ビール。
ぴったりである。



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