断腸亭料理日記2006

合羽橋・太助寿司

4月6日(木)夜

さて、昨日行けなかった合羽橋の太助寿司である。
筆者の最も頻繁に行く、鮨屋で、ある。

20時前、店に入る。
先客は一組。

妻も、来たいといっていたが、少し遅れる、と、いう。
勝手に始めている。

つまみ。
親方は、今日は、活(い)けのあおりいか、まこがれい、が、いいよ。
と、いうことで、つまみ。


真ん中に、あおりいか。
葉山、で、あるという。
手前にエンペラを細く切ったもの。その後ろに身の部分。
活け、ということで、どちらも、透明で、ある。

塩で食う。
コリコリとした食感。噛むと、じんわりとあまみが広がる。
鮨屋のいかのなかでは、あおりいか、は、最高峰であるという。
魚河岸でもなかなか、入荷も少ないらしい。
なるほど、これは、なかなかのものである。

そして、左に、まこがれい。
これは、江戸前、富津であるという。

これも、ちょっと、びっくり。初めての体験であるかもしれぬ。
実にみずみずしい食感。
噛むと、シャクシャクと、音がするよう、で、ある。
そして、あまい。

白身は、鯛や、冬の平目、星がれい、あるいは、ふぐ、
などなどいろいろあるが、それぞれ持ち味があり、うまいが、
それらともまた違う。
白身の奥の深さ、と、いうことであろう。

右側が、金目。
表面が皮付きのまま、霜降りにしてある。

柔らかく、実に脂がある。

これは駿河湾。脂の乗った伊豆の金目は有名である。

聞いてみると、この霜降りは、湯通しではなく、
焼いて付ける、焼き霜(やきじも)、と、いう。
金目は皮が柔らかく、湯通しでは、皮が取れてしまうので
こうする、ということである。

妻は、もう少し時間がかかるようなので、
もう少し、つなぐ。

若い衆が、先ほどのあおりいかのの下足を
しょうゆで焼いてくれた。


七味が添えられ、乙、で、ある。

下足をつまんでいると、妻が来た。

握り。

中トロ。

前回同様、九州は壱岐。

きめの細かい、柔らかな食感である。
うまい。

生とりがい。
柔らかく、うまいこと、うまいこと。

小肌。江戸前。
江戸前の小肌は、皮が柔らかいのが特徴であるという。

うに、函館のむらさきうに。

いか。今度はすみいか。これも、江戸前。
先ほどの、あおりいかともまた違う、口の中で、
ぷちぷちと、はじけるような食感が、よい。

穴子。毎度のことであるが、
熊笹ではさんで、炙る。
よい香りと、ほかほか、とろとろと、口の中で溶ける。
幸せである。

鰯。

最後に、太巻きを巻いてくれた。

玉子、おぼろ、かんぴょう、きゅうり、などなどの具沢山。

うまかった。腹一杯である。

やはり、うまい魚と、うまい鮨が食いたければ、
合羽橋、太助寿司。
そして、リーズナブル。
あらためて思うが、今時、なかなか希少な店である。



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