断腸亭料理日記2006

立ち呑み(飲み)、ブーム?

先週、亀田のタイトルマッチのあった日、
オフィスのある牛込市谷界隈からも、さほど
遠くないJR駅そばに、最近できた立ち呑みや、へ
同僚ら三人で行ってみた。

結論からいうと、今一つであったのだが、
そのことを、書いてみたい。

筆者も何回か書いているが、ここ数年、立ち呑みがブームであるという。
ことに、若い女性(どのへんを若い女性というのかは、議論があろうが)
にも人気。
昔からあった、ガード下や、路地裏の立ち呑みや、に加えて、
恵比寿や、渋谷、など、筆者は行ったこともないが
新しいオシャレな立ち呑み(飲み)やができ、人気、ということである。
また、これらには仕掛人といわれる人もいるらしい。

(立ち呑み、なのか、立ち飲み、なのか、面倒なので、
立ち“呑み”に統一するが、筆者は一応の使い分けをしている。
まず、一般的に筆者は、酒をノム、場合は、呑む、を使っている。
他のものをノム場合は、飲む。この使い分けからすると、
“立ち呑み”、なのだが、一般的に、“立ち飲み”も多く使われており
ことに、最近できたオシャレなところなどは、どちらかといえば
“立ち飲み”の方が雰囲気が出るように思われる。)

筆者がこの日記で今までに書いた立ち呑みは、

三田・串揚げ・たけちゃん

八重洲・呑うてんき

御徒町・大山

御徒町・味の笛

宝町(→八丁堀に移転)びっくりうどん本舗、おてごろや

御徒町・たきおか

あたりであろうか。

最近書いた、たきおか以外は、店の歴史としては
一年や二年、ではないだろう。

それぞれ、特徴、カラーがあり、むろんのこと、
足繁く通うファンがついている。

その特徴、カラーとは、なんであろうか。
三田たけちゃんは、東京では比較的珍しい、
正調大阪風のうまい串揚げと、どてやき。
御徒町大山は、肉屋直営のメンチカツ。
びっくりうどんは、ポテトサラダや卯の花など、当たり前の
ものでも抜群にうまい、、などなど。
それぞれ工夫した、そこでしか食べられない、
うまいつまみがあること。
立ち呑みの魅力は、ここにつきるような気がする。

ただ安くて、簡単に呑めればよい、のではない。

よい立ち呑みの多くは、個人経営に近い。
だからなおさら、工夫し、安い値段でうまいものを出そうとする。

これ、どこか路麺(個人経営の街角の立ち喰いそば店)に似ている。
いや、まったく同じである。

むろん立っている、というスタイルも同じであるし、
そこから、安い、ということも既定される。
立たされて、高くては、意味がない。
しかし、その安い値段のなかで、いや、安いからこそ、
出すものに愛情や熱意がこもっており、その姿勢はみな真面目で真摯。

これが路麺や、よい立ち呑みの本質である。

少し大袈裟だが、そこには、東京の街角で、真面目に生きる市井の人々、
を感じるのである。

姿形(すがたかたち)、メニューや価格を真似するだけでは、
よい立ち呑みにはなれない。
むろん、チェーン展開などしても、そこには本当の立ち呑みの心、
安い値段でお客を喜ばそうという心、が、入っていなければ、魅力はない。

立ち呑みに行くようになった、“若い”方々もそこに気が付いてほしい。

新しくできた立ち呑みに行き、そんなことを考えた。



断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月



BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2006