断腸亭料理日記2006

上野藪と、そば考察、その3

2月12日(日)第二食

午後、床屋。
今週は、重要な、プレゼンテーションの予定があり、
床屋へ行く。

まだ、半月くらいであるが、きれいにしておこうと、
思ったのである。
いつもは、田原町の交差点なのだが、揃えてもらうだけなので、
御徒町のQBハウスへ。

先週の、そばの話、少し、様々出回っているそば関連の資料収集と思い、
御徒町の本屋を覗く、、、が、、
ここには、それらしいコーナーもなく、
上野の丸井へ向かうが、いつのまにか、
本屋がなくなっていた。

上野というところ、本屋不毛の街、で、ある。

浅草ロックスのリブロ、へ回ろうと思うが
自転車である、今日はあまりにも、寒い。

、、、。

とりあえず、、、。

ちょうど、目の前(丸井上野の裏)
上野藪に入ろう。

日曜日の15時。
こんな時間であるが、店の中は、ほぼ満席。
やはり、そばブーム、なのであろうか。

また、ここはアメ横そば、丸井裏、という、場所である。
日曜日の午後、買い物帰り、ということであろう、色々な人がいる。
たまたま入ってしまった人も多かろう。
筆者の前は、60近い、小父さん。左隣は、若めのカップル(男30代、女20代)。
右は、筆者よりも気持ち若めの、赤ちゃんを連れた、夫婦。
などなど。

ここ、混んでいなくとも、なかなかに、段取りが悪い。
席に付くとすぐ、注文もしてしまう。
次に、いつ来てくれるのか、わからない。

お酒お燗と、せいろ。

こうすれば、早かろう。
一合呑んで、パッと、そばを食って、パッと、出る。

午後のそば屋は、ほんとうは、このくらいがよいのだろう。

そばはうまいのである。
段取りさえよければ、もう少し気分よく過ごせる店のはずである。
しかし、先に書いたような、種々雑多な客層である。
これをうまく捌(さば)く、というのも、なかなか、
たいへんなのであろう。
ごくこの近所であるが、池の端藪は、買い物帰りに、
たまたま入ってしまう、という場所ではない。
知っていないと、来れないところ。
風俗などがあったりするが、このあたりが、池の端藪には、
むしろ、幸いしているのかもしれない。

さて、さて、先週の続き。そば屋の魅力、を考えよう、
かと思ったのだが、ちょっと、別の方向に考えをめぐらせた。

冒頭にも書いたのだが、そば屋考察を抜本的にする前に、
現在出回っている、そばに関連する
本を一通り、見てみよう、かと、思ったのである。

批判をするにも、きちんと、把握をしておかなければ、である。

しかし、結論からいうと、やめた。

御徒町の本屋になかったから、面倒臭くなり、ひとまず、やめた、と、
いうことでもあるのだが、研究するのを、やめた、というのが、
今の筆者の、そば屋、および、そば、に関する、
ひとまずの、結論でもある。

アマゾンで、そば、で、検索してみると、
あらかた、今、人気の、そばに関する、本がわかる。
ご興味のある方は、読んでみられても、よいかも知れない。
(一応、読むリストも作ってみたのである。)

サライ系&江戸ソバリエ系、なるもの。
(この関連で、3〜4冊。)
それから、「蕎麦屋のしきたり」藤村和夫。
「そば屋 翁―僕は生涯そば打ちでいたい。」高橋邦弘 。
(あの、翁、である。)
歴史系で「蕎麦屋の系図」岩崎信也 。あたり。
そして、前にも引用したことがあるが、「ソバ屋で憩う」杉浦日向子。
結局、筆者、杉浦氏のものしか、手にしたことは、ない。
はっきりいうと、この世界を避けてきた、のである。
その理由は、趣味そばが嫌い、ということと、同じ様に、
胡散臭い、感じがするから、もう少しソフトないい方をするなら、
肌合いが違いそう、だから、である。

今回、アマゾンのレビューなどを読んで、そばを取り巻く、
論調、その人気どころ、の、かなり大雑把なところは把握した。

しかし、やめた、のは、ここで、批判をするためにだけに
読むのは、あまりにも馬鹿馬鹿しい。時間の無駄であろう、
と、いうことに行き当たった、のである。

そして、もう一つ。
とりあえず、筆者は今、そば屋には“間に合っている”状態。
やはり、ここに、行き着く。
ソバリエの方なんぞは、日本中の1500のそば屋を
食べ歩いた、などという人もいるようだが、
筆者は、間に合っている、のである。

今、筆者は東京は台東区の、浅草駅と、上野駅のちょうど中間に住んでいる。
並木藪にも、池の端藪にも自転車で、10分もかからない。
年越しそばは、神田まつやで、よい。(いや、十分過ぎる)
歩いて、1分以内に、有名ではないが、濃いつゆがうまい、砂場もある。
優秀な路麺にも不自由していない。
これ以上、そばに関して、いい環境は、ないのではなかろうか。

(みな、閉店時間が早いのが玉にキズであるが、
それを除けば、夢のようである。ほんとうに。
さらに、蛇足だが、拙亭から、歩いて2分以内のところに、
普通の町のそば屋は、4軒もある。
日本でも稀にみる、そば屋密集地帯なのである。)

少なくとも、筆者の嗜好では、夢のようである。
それで、いいじゃないか、というのが
本音なのである。

行動範囲にある、趣味そば、には、近付かない。
やはり、ひとまず、今まで通り、ないもの、と、思う、ことにしよう。

(しかし、底の浅い「スローライフ」をもてはやす論調だけは、
どうにも「イカン!」と思うことには、依然として、引っ掛かっては、いる。
また、完全に、やめた、わけではない。少し暇ができたら、読んでみようかと
思ってはいるのである。)



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