断腸亭料理日記2006

鶏魚刺身・みる貝

1月8日(日)夜

午後、落語の稽古がてら、歩いて御徒町、吉池まで。
寒いが、ブツブツいいながら、歩くと、身体は温かくなる。

吉池に到着するが、天災、一席終わらないため、
松坂屋の裏通りをうろうろ。

やっと終了。

吉池へ。なにがあるかな。

店内をうろうろするが、日曜のせいか、連休のせいか、
河岸が休みなのか、今一つ、の、ような気もする。

それでも、まず、みる貝。
江戸前、¥200。
大きいものではないが、開いて料理してあるのものが、三つ分。
これは安いのではあるまいか。

それから、好物の、ひも。韓国産、¥300程度。
それから“子持ち”に惹かれてシャコ。中国産¥500程度。

もう一度、魚のコーナーに戻り、見直してみる。

鶏魚(いさき)、佐世保。一匹¥300。
刺身、焼き魚、と、書いてある。
刺身で食える、というのは、よいのではなかろうか。

帰りも稽古をしながら。
不忍池から、上野の山を登り、西郷さんの銅像、
上野駅前、浅草通り、下谷神社、裏路地を通り、帰宅。

さて、鶏魚は三枚までおろしてもらった。
もちろん、あら、も、もらってきた。
これは、あとで、汁にしよう。

皮は引いていない。
ちょっと頭から、剥いてみるが、
鯵や鰯などの光物のようにはいかない。
尻尾から、包丁刃を皮と身の間に入れ、
力を入れて、引く。
きれいに、引けた。

みる貝は、そのまま、ぶつぶつ切る。
ひもは洗うだけ。
子持ちシャコは、拙亭常備の穴子の甘ダレをかける。
以上、終了。

茄子の辛し漬けなんぞも、出す。
酒、お燗。

鶏魚刺身。
おお、これは、よい。
さっぱりとしているが、ねっとりとあまく、
鶏魚らしい香りもよい。
よい刺身ではなかろうか。

それから、みる貝。
これもうまい。汐の香りよく、
貝らしいうまさ。
随分とうまいので、当初は二つだけ切ったのであるが、
結局、3つ分全部切って食べきってしまった。

だめなのは、輸入物2品。
ひもは、味がなく、
シャコは、解凍ものなのだろう、すかすか。
みる貝の¥200と、鶏魚¥300と、
大きな差、で、ある。

やはり、値段ではない。
子持ち、なんというものに騙されては、いけない。
こういうような、ちょっと見は、
うまそうに見えるものが、回転寿司などで
そこそこ幅を利かせるネタになるのかも知れぬ。

看板ではない、本当にうまいものを
見分ける舌が、大切なのであろう。



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