断腸亭料理日記2006

板橋・中華・蜃気楼

11月9日(木)夜

一年ぶりで、ある。
板橋の、不思議な中華、蜃気楼

板橋に住む、友人の招待を受け、足を運んだ。

なかなか板橋というところ、筆者はいく機会がなく、
一年ぶり、ということになった。

なかなか、この一年の間に、有名になった。
先頃、新装版が出た、文春の「東京いい店うまい店」にも載った。

(余談だが、この本、ネット全盛の今、それなりの見識を持ちながら
時代に合わせていく、というのも難しいだろう。
選ばれている店に、首をひねる店が、ないとはいえない。
しかし、それなりに存在意義、というのはあると思い、
筆者は新版が出るたびに買っている。)

さて、蜃気楼。

板橋の旧中山道、ユニクロ裏、なかなか、ヘンな場所である。

今日は、内儀(かみ)さんが少し遅れてきて、5人。
奥の小上がり。
ここは古道具の塗りの丸い卓袱(ちゃぶ)台。
キッチュ、と、いうのだろうか、ヘンな雑貨が
昨年と少し違うものもあるような、ないような。

まず、ビールで

前菜盛合わせ。


くらげ、トマト、豚皮(で、あろうか)の煮凝り、叉焼。

ほぼ同時に、二品。


皮が薄いので、ワンタン。


ちょっと厚いので、餃子。であろう。

ワンタンの方がちょっと辛めのタレ。
餃子の方が、ちょっと甘めのタレ。

なんの味なのか、まったくわからないが、
この甘めのたれが、またうまい。

紹興酒にかえる。
ここの紹興酒は、さっぱり目のものと、
濃い目のもの、二種類のブレンドである、と、いう。
ぐんぐん、進む。

さて、次。

これは、あばら骨やら、背骨やらを煮たもの。
骨についている肉や、骨と骨の間、骨を折って、髄の部分も全部、
舐めて食べる。

中国東北地方の料理、と、いっていた、か。
下準備がたいへんである、と、いっていた。
原価はきっと安いのであろうが、手間の掛かり方といったら
たいへんなもの。その甲斐あってか、格別にうまい。

麻婆豆腐と麺。

むろん掛けて食う。
細麺で、くっつかぬように、油をまぶしてある。
いわゆるこうした、スープなしの麺に掛けて食べる食べ方は
日本ではやはり、今だに主流ではない。

マスターは、話し始めると止まらない。
この麺について、いろいろと、話してくれたのだが、、
この時点で、そこそこ紹興酒も回っており、
残念ながら、ほとんど憶えていない。

まだなんか食べたいね〜、ということで、

ビーフン。

豚肉、ピーナッツ、ねぎ、なんぞが入っているだけ。
だが、格別にうまい。

麺が、おこげのように、パリッとしている部分がある。

そういえば、焼そばでも中華では、こういう炒め方をする。
マスターは「日本の例えば、ソース焼きそばは、全体に
同じように仕上げちゃうけど、中華は違う」
といったようなことを、いっていたような、、。
(あやふや、で、ある。)

最後、杏仁豆腐。


格別。杏仁豆腐の固定観念を塗り替える一品である。

今回、秘密を教えてもらい、なるほどと、納得した。
(まあ、ここには書かぬ方がよかろう。)

やはり、今回も思ったのだが、
このマスターは相当に繊細な味覚の持ち主。

そして、中華料理が本当に好きなんだ、ということ。

それが合体し、一品入魂のうまい中華が生まれてくる。
どうしてどうして、端倪すべからざる男である。

電話: 03-3964-6657
住所: 板橋区板橋1-33-1



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