断腸亭料理日記2007
1月27日(土)夜
さて、ビールを呑み、昇龍の餃子を食って、夜である。
アメ横で買ってきた、すみいか。
甲いか、と、いうのが、本当の名前らしい。
すみいか、と、いえば、真っ黒な状態で売られている。
先ほどのアメ横の店先でも、真っ黒。
だから、東京では、すみいか、と呼ばれている。
関西では、きれいに洗って、売られているらしい。
同じものだが、なにか、不思議なものである。
表示もされていなかったし、特に聞きもしなかったので、
どこで獲れたのかは、不明で、ある。
東京湾でも獲れるらしい。
江戸前の鮨でも天ぷらでも、すみいかは定番で、ある。
特に、晩夏から初秋の、子供、新いかは、うまい。
すみいかの旬は、やはり、今頃、冬から春先であるという。
そういえば、太助寿司では、新いかは出るが、
親のすみいかはあまり見かけない。
まずは、さばく。
と、いっても、唯一、といっていいが、いかをさばくのは、
拙亭では、内儀(かみ)さんの仕事になっている。
(なぜか、いかをさばくのが、好きなようだ。)
するめいか、など、普通の形をした、いかとは、
少し違っている。甲いか、というだけあって、甲がある。
筆者もやらされたが、甲を外し、皮をむく。やってみると
さほど難しいことはない。
皮をむくのは、普通のいかよりも、むしろ簡単かも知れぬ。
(実は、筆者は、いかの皮をむくのは、苦手、なのである。)
内臓は捨て、下足だけは、別に取っておく。
よく洗って、ぬめりを取り、水を切り、刺身用にまず3~4杯ほど
ペーパータオルでよく水分を取る。
縦に二つに切って、皿にのせ、ひとまず、冷蔵庫に入れておく。
下足は、切って、軽く湯通しをしておく。
あとは、天ぷら、で、ある。
天ぷら用には、一口に切る。
ちょうど、一杯が三切れほど。
油の準備。
缶に入れてストックしてある天ぷら油を、鍋に用意。
少し、新しい胡麻油を足す。
内儀さんには、皿、大根おろし、天つゆの準備をさせる。
天ぷらは、ほんとうに、時間との勝負である。
すべて万端整えて、揚げにかからないと、いけない。
ボールに卵、冷水、氷を二個ほど。
よく混ぜて、卵冷水を作る。
いかの量が、少し多いので、冷水も多め。
ここで、もう油に点火。
小麦粉を入れて溶いたら、すぐに揚げねばならないからである。
油温がそこそこ上がるのを、しばらく待つ。
ボールに小麦粉を入れ、軽く混ぜる。
せっかくの、すみいか、で、ある。
衣は、少し、ゆるめ、を、目指してみよう。
いかをまずは、三切れほど入れ、馴染ませる。
油温をみる。
そこそこ、高温でいってみよう。
投入。
ちょっと、ゆるかったか、、。
一つ、ほんの少しだが、衣がはがれた。
1分もいらないであろう。
30~40秒ほどで、上げる。
火を止め、すぐに、食卓に運び、内儀さんの皿に、置く。
再び、すぐに台所に戻る。
気持ち、小麦粉を足す。
内儀さんに味を聞く。
「うまい」、と、いっている。
再点火し、また、三切れ。
今度は成功。
また火を止め、とりあえず、座って食べる。
うん、うん、なかなか、うまいぞ。
中心は生、というような、プロの技には遠くおよばないが、
それでもよく揚がっている。
またまた、戻り、残りをすべて、揚げる。
終了。
やっと、ゆっくり座って、食べられる。
刺身も食べてみる。
これもわるくはない。
他のいかと違う、すみいか独特の、かすかな香りが、よい。
が、やはり、すみいかは、鮨にとどめを刺す。
酢飯と一緒に食べるのが最もうまい、のであろう。
(太助で出してくれないだろうか。)
下足もわさびじょうゆで食べる。
いやいや、今日は、すみいか、天ぷら、刺身と堪能した。
これで、¥500は、安いで、あろう。
すみいかを魚屋で見かけるのは、ほんとうに珍しい。
やはり獲れる量が少ないのであろう。
歩き回ると、少しいいこともあるものである。
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