断腸亭料理日記  池波正太郎レシピ

鬼平軍鶏鍋・前編

1月30日(土)
ついに、この日がやってきた。
「鬼平」軍鶏鍋、満を持しての登場である。

今日は、以前より気になっていた、池波正太郎先生「鬼平犯科帳」登場の
軍鶏鍋屋「五鉄」の名物、軍鶏鍋に挑戦する。

私は今まで、軍鶏鍋と聞くとどうしても水炊き風のものを想像していた。
しかし、「鬼平料理番日記」(阿部孤柳)によると

「五鉄の店では、新牛蒡の笹がきと一緒に出汁で煮ながら食べます。
煮る鍋汁は割下だけで、、、」
とあり「割下」ということは甘辛。また、臓物(モツ)も入れる、という。

このモツというのが今、意外にむずかしい。

昔の話。
先代金馬の落語・薮入りに、
奉公に出ていた子供が薮入りで久々に帰ってくる。
その父親が子供にあれも食べさせたい、これも食べさせたいという。
その中に、「軍鶏も買っとけ。モツまじりで。あいつが好きだから。」
というセリフがある。

これは、軍鶏鍋が決して上品な食べ物ではなく
江戸庶民の普通の(ちょっと贅沢?)メニューであったことがわかる。
また、軍鶏をモツ交じりで買うという買い方があった。
そこで正しい軍鶏鍋を再現するにモツは欠かせないハズである。

今、モツは別々にしか買えない。
レバー、砂肝、キンカン、皮なども入るのか、
いずれにしても大量の材料になってしまう。

スーパーで地鶏、レバー、皮を。
キンカンは多量にあってもしかたない。
砂肝も煮込みには少し不向きので止す。
野菜は牛蒡、春菊が安かったのでこれも。

作る。

鶏がら出汁が取ってあったので、土鍋にこれを煮立て
味醂、酒、しょうゆ、砂糖を加える。
味見。
すき焼きなどの割下よりは当然薄め。
肉を煮込むため、そば(温かい)のつゆよりも若干濃い目、
を目指す。

野菜、肉を洗う。

火鉢へ。
モツ(レバー)を煮るには火力が必要。炭火は熱く熾(おこ)す。

モツを含め、肉、牛蒡を投入。蓋をして煮込む。

数分。春菊を投入。

いよいよ、食う。

これは、これは、、、、、、。

(長くなるので、結果は明日)。

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