断腸亭料理日記2007

黒鯛

4月29日(日)第二食

さて、引き続き日曜日。

午後、天気もよいので、このところサボっていた稽古を兼ね、
身体を動かすのが主目的で、外に出る。

四月に入り忙しくなり、都合数週間、稽古をしていなかった。
てきめん、で、ある。
そこそこ入っていたセリフが、出てこない。

数ヶ月の蓄積も、数週間で吹っ飛んでしまう。
まあ、それだけ、ちゃんとセリフが入っていなかった、
と、いうことなのであろう。
この連休中には、なんとか、もとへ戻す、というのを
目標にしよう。

目的地は、一応、上野方面、ヨドバシカメラ。
元浅草から北上し、浅草通りを越え、並行する路地を西に向かう。
路地を、ぐるぐる回り、噺の終わるまで、30分弱かけ、
ヨドバシカメラに到着する。

上野界隈も、連休のせいだろう、人が随分出ている。

ヨドバシカメラで買い物を済ませ、アメ横へ。
アメ横は、もうごった返している。
皆、買い物というよりも、東京見物で寄ってみました、という感じの
人々であろうか。

人ごみをかき分け、魚屋を覗く。
すみいか、なんぞもあり、ちょっと魅かれるが、、
黒鯛がある。そこそこ大きいのが、¥700。
これをいってみよう。
それから、ホタルイカ。大きいパックで¥300。
これも。

日も出ており、暖かいので、あまり、ぶらぶら歩いていては
せっかくの魚がだめになる。
帰り道は、スタスタ、真っ直ぐに、東に向かって、帰宅。

まずは、おろす。

尻尾まで入れて、40cmはあろうか。


これだけ大きな魚をおろすのは、久々かもしれない。

流しで水をちょろちょろ流しながら、鱗を落とす。
先日買った、鱗落としは、やはり便利である。
出刃でやるよりも、圧倒的に早く、よく落とせる。

頭を落とし、腹を割く。

おっと。子持ち、で、あった。
鯛の子は、食べられる、はずである。
煮てみよう。

心配なのは、子持ちであるがゆえに、身の方は、
脂が抜けて、パサパサ、と、いうやつである。
前に、鯖で、そんなことがあった。

頭も下側から包丁を入れ、半分に割る。


三枚におろす。
これだけ立派だと、なかなか緊張する。
鯵や、鯖などはよくおろしており、勝手がわかっているので、
ある程度、適当に包丁を入れても、なんとかなるのだが、
セオリー通りに、丁寧に包丁を使う。

10年以上前であろうか、同じような大きな黒鯛を
おろそうとしたことがあったが、散々なことになった経験がある。
身も骨も、ボロボロ。

ようは、骨と身の間に包丁を入れ、骨からはずす、と
いうことを考えて包丁を入れればよい、
と、いうようなことが、やっと最近わかってきた。

三枚におろせた。

一気に、刺身にまでしてしまおう。

卵はどうしたものか。
とりあえず、お湯でもかけてみよう。

湯を沸かす。

ざるに入れたまま、熱湯を卵にかけ、
冷水で洗う、、。
が、卵が破けていた、、流れ出してくるので、
適当にやめ、そのまま、置いておく。

刺身用の身。
これも、皮から、霜降り。

きちんと保冷剤を入れた冷水をボールに用意し、
平らな網に載せ、熱湯をかけ、すぐに冷やす。
二枚。

頭、骨も、つゆ用に、霜降りをし、洗う。
そのまま、水から、加熱し、つゆにしておく。

霜降りをした身は水気を拭き、切る。

半身、とりあえず、なにも考えず、ぶつぶつ切ってしまった。

よく考えたら、鯛は白身である。
薄く切るのもあった、というのに、気が付いた。

皮が付いたままなので、薄く斜めに切るが、切りずらい。
薄く切る場合は、皮は引いておかなければいけないのだろう。

悲しいかな、鯛の皮を引く技術は筆者にはない。
光物のように、手でひける代物ではない。
以前に、これでも失敗した。うまくひけないと、文字通り、
ぼろぼろ、になってしまう。

あまりきれいではないが、切れた。

ひとまず、冷蔵庫へ。

さて、卵。
これは、甘辛く煮てみよう。

水、酒、しょうゆ、砂糖。
少し、濃い目にしてみた。
アルミ箔で、落し蓋。

熱が上がってくると、卵の袋が開いて、
花のように、きれいになってくる。
あまり、煮すぎもいけなかろう。
そこそこ、色が付いてきたら、止めて、味を含ませておく。

ホタルイカは、洗い、西京味噌で、辛子酢味噌。

盛付け。

朝作った、キャベツなども出す。

黒鯛の卵。
これは、なかなか、めっけもの、で、ある。
うまいぞ。

肝心の刺身。
これも、なかなか、よい。
脂っ気が抜けている、と、いうようなこともなく、
鯛らしい、脂があり、身もあまく、うまい。

さて、また、呑んで、そのまま寝てしまった。

夜中、というよりも、未明、起きる。

そして食べたのが、鯛茶漬け。


飯の上に、刺身の切り身を載せ、
きざんだねぎを薬味に入れただけ。

これも、うまかった。

どうも、連休モードで、生活のリズムが、メチャクチャ、で、ある。



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