断腸亭料理日記2007

断腸亭、香港へいく。その3

さて、写真なしの、「断腸亭、香港へ行く」引き続き、二日目。

8月17日(金)

九龍の中心地、尖沙咀(チィム・サア・チョイ)、
の海辺で朝粥を食べて、外へ出た。

日が出ているので、段々暑くなってきた。

香港は飲食店を含めて、公共の場所は、すべて禁煙。
(違反すれば、5000香港ドルの罰金、で、ある。)

しかし、街頭には、意外に灰皿は多く置かれており、
そこで、煙草は吸うことはできる。

海と、向側の高層ビルを見ながら一休み。

岸沿いに右側に行くと、フェリーターミナルがある。
これはイギリス統治時代、それも1889年(明治22年)就航、
と、いうから、100年以上。
(むろん、今は、この湾(ビクトリア湾)を渡るのは地下鉄も
地下の車用のトンネルもあるので、これは、観光用である。)

下が緑、上が白で塗り分けられた、ツートンカラーの
クラシックな楕円形のボート、で、ある。

尖沙咀から、香港島の中心地、
中環(チュンワン、英語名セントラル)を15分程度で結んでいる。

この緑と白のツートンカラーには意味があるようである。
客席は上の白い部分、一等と、下の緑の部分、二等に分かれている。
料金も5ドルちょっとと、2ドルちょっとと差がある。
そして、極め付けは、一等と二等は入り口まで違う。

これは、その昔は、いわゆる一等と二等というよりは、
統治者と、被統治者、そんな分け方ではなかったのであろうか、
などという想像も出てくる。

まあ、眺めもよいので、一等に乗る。
だが、暑いので、エアコンのある部屋に駆け込む。

遠くに見えていたキンキラの超高層ビルがだんだんに、
近付いてくる。

この高層ビル群、お得意の風水の見立てで、
建てられてもいる、という。
“気”が通るように、ビルの中央に穴が開いていたり、、
そんなことのようである。

ほどなく、中環に着く。

桟橋に着くと、係りの人が、艫綱(ともづな)を結ぶ。
ここの係りの人は、ちょっとくたびれているが、
紺色のセーラー服を着ている。(むろん、男性。)
こんなところも、大英帝国の名残、なのかもしれない。
(もし、そうならば、それをそのまま残しておく、
というのは、どういうことなのか、という疑問も出てきたりはする。)

桟橋に降り、二階フロアを歩く。
そのまま、屋根のある遊歩道になっており、陸地に入っていく。

香港島の中心部はこの中環、向かって右側が、上環(ションワン)、
左側が、金鐘(アドミラルティー)、灣仔(ワンチャイ)と、海に向かって
狭い平野部に、横に街がつながり、背後はすぐにビクトリアピークなどの
山になっている。

右側に最初に見える高層ビルが、日本総領事館の入っているビル。
左側に、〒(郵便)マークの香港郵政総局の建物。
そのさらに左奥、高層ビルの谷間に、由緒ありげな
丸のドーム、石造りの古い建物が見える。
これはなんであろうか。

いくつかの高層ビルの間を抜けて、この古い建物に
近付いてみると、今は、香港立法評議会、香港議会の議事堂
のようである。統治時代は最高裁判所、と、いうこと。
不思議なことに、なのか、あたりまえか、
元なんであったのかは、書いていない。

さて、とりあえず、ここまできたが、ここから、どうしよう。

目の前には、香港名物のトラム、と、呼ばれている
二階建ての路面電車が走っている。
いわゆる、トロリーバスのように、上に張られた架線から
ポールを立てて電気を取って走る。

香港といえば、イギリス式の二階建てバスが昔から有名で、
このバスも、車体は大きくなり、形も最新のものが、今も走っているが、
その形の路面電車と、いうことである。

このトラムは、今は日本でもバスなどで、あたりまえになったが、
車体全体に企業や商品の広告がほどこされている。
このため、様々な色に塗られた車体が走っている。
香港で人気の日清食品のインスタントラーメン、
出前一丁のものなどもあり、見ていて、なかなか楽しい。

このトラムは、海に沿った平野部を走っているので、
これに乗っても、今日の目的地、ビクトリアピークへは行けない。

ビクトリアピークへ向かう方法のうち、
オーソドックスなのは、麓からピークトラムという
ケーブルカーのようである。

香港立法評議会の建物から、ピークトラムの駅を目指すことにする。
このあたりは、銀行街。中国銀行、香港上海銀行(HSBC)。
その間に、文字通りBANK STREET という通りがある。

と、その裏手の土手の上にまた、赤レンガの古そうな建物が
見えてきた。(もうこのあたりから、山の手になってくる。
香港島のこのあたりの平地部分は、ほんのわずか、で、ある。)

なんであろうかと、登ってみる。
暑いので、汗をふきふき、で、ある。

赤レンガの建物は、今は香港終審法院(最高裁判所)で
統治時代は、、、と、やはり、書いていない。
(調べてみたが、やはり、よくわからない。)

その隣に、やはり古そうな、教会。
これは、セント・ジョンズ大聖堂。

このあたりの古い街並みは、
いかにも大英帝国の植民地であったことを思い起こさせる。

その上が、ピークドラムの駅。
着いてみると、駅を取り巻いて、なが〜い、列。

暑さと長い列に、しばし、思考能力を失う。
どうしたものか、、、。

そこらに、座り込み、しばし、善後策を考えるが、
さしていい考えも浮かばない。
あきらめて、内儀(かみ)さんと、列に付く。

並んでいるのは、むろん、観光客。
日本人は意外に少ない。
フランス、イタリア、スペイン、ドイツなどの欧州系、
それから、大陸からなのか、中国人。
意外に多いのが、韓国人。


またまた、長くなってしまった。
今日は、食い物のシーンは登場しなかったが、お許しを。
明日に、ご期待。






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