断腸亭料理日記2007

断腸亭、香港へいく。その9

断腸亭、香港へ行く。二日目。
茶餐廳で出前一丁の朝飯を食い、ホテル付近の野菜や魚を商う市場を見て
もう一度、ホテルに戻る。

8月18日(土)

引き続いて、路地探検、街歩きに行こう。
昨日、この旺角付近にある、女人街をみた。

女人街は、女性向けの衣料品が売られていたが、
もう少し、南の方に、その名も、男人街、というのがある。
こちらは、男性向け衣料品、ということである。

この男人街は、夜になると、屋台が出て、夜中まで賑わっている、
らしい。昼間であるが、なにかはあるであろう。
男人街は、地下鉄の駅で一つ先。歩いてもいける。

再び出かける。

先ほどは、生鮮の市場を見たが、旺角界隈は建材や工具を
扱っている店も固まっている一画がある。

このあたり、昔の東京にも似ている。
同業が軒を連ね、ひと続きの○○街を形成する、と、いう。

今でも、馬喰町といえば、衣料の問屋が集まっていたり、
蔵前は玩具の問屋街だったり、合羽橋は、ご存知の
厨房用具、浅草通り沿いは、仏具屋、神保町は古本屋などなど、
街々で商売がきまっているところがある。
街の成り立ちとして、共通点があるのかもしれない。

工具街は、しばらくいくと、奇しくも
合羽橋と同じような厨房用具街に、なる。
並べているものは、当然、多少違うのであるが、
陳列の仕方など、ちょっと見には拙亭近所の、合羽橋と
ほとんど、区別がつかないほどに、似ている。

日が昇ってきて、暑い。

天后廟という道教のお寺があった。
木陰でしばらく休み、また歩く。

このあたりから、男人街が始まる、のであるが、
午前中の今は、まだ、開いている店も少なく
ほとんどなにもない。
やはり、夜でなければ、だめであったか。

あ〜〜、、暑い。

まったく、暑い思いをして、なにしにきたのであろうか、、。

どうしようか。
暑くて、思考力も、ない。
コンビニに入って、水を買って飲む。

近くに、涼めるところでもないかと、探すが、
ファストフードも飲食店も見当たらない。

地下鉄の駅もちょうど駅の中間で、遠い。
内儀(かみ)さんが、タクシーで一度ホテルに戻ろう、
と、いう。

涼しいホテルの部屋で頭を冷して、考えるのがよかろう。

ネイザンロードでタクシーを拾い、
乗ってしまえば、すぐ、ワンメーターちょっとであった。

一息入れ、、。

もう一箇所、歩いてみたかったところがあった。
香港島の骨董屋の集まっている荷李活道(ハリウッド通り)、
で、ある。

再び、出て、地下鉄に乗る。
昨日と同様、上環。
中環で乗り換え、上環まで。

上環駅は前にも書いたが、香港島のメインの通りともいうべき
徳輔道中(デ・ヴォー・ロード・セントラル)にあり、
ここから、山側に上っていく。

上環から、路地に入っていくと、やはり庶民の街になるのだが、
先に歩いた、旺角あたりとは、街の雰囲気が違う。
やはり、イギリス人が開いた街だからであろうか、
ヨーロッパの古い街とまでいうのはいい過ぎであろうが、
重厚さというのか、そんなものもあり、ちょっとおしゃれな感じである。

ハリウッド通りには、階段を登っていく。

一本手前に、摩羅上街(キャットストリート)という
骨董よりも、一つ落ちる、雑貨、古道具の通りがある。

一応、本当の骨董の通りから見ていく。
雰囲気はあるが、高級品ばかりで、筆者などには縁もないよう。

1ブロックほど歩き、今度は、古道具の通りに移る。
こちらは、安いもの(らしい)。
毛沢東のバッヂやら、毛語録やら、
一目で複製とわかるような古い美人画、日常使用の陶器、アクセサリー、
インテリア小物、などなど、あるが、
特段、買い求めたいというようなものはない。

唯一、内儀さんが、店ではなく、階段にあった屋台で干支の形の
石の根付(携帯ストラップ)を買う。
(この屋台の小父さん、妙に日本語がうまい。)

その階段を少し下がったところにあった、お茶屋さんに、
ふらりと入ってみた。

楽茶軒、というお店。

外の暑さで、再び、まいっていたところ、エアコンの効いた
ひんやりした店内に、ほっとする。

と、お店の女性が、なんと、日本人であったのに、びっくり。

実は、筆者、中国茶、特に、中国の緑茶が、大好きであった。
しかし、中国の緑茶は、日本ではあまり売っておらず、
売っていても足元を見たようにかなり高価なため、
最近はほとんど、飲んでいなかったのだが、

他にお客さんもいないので、試飲やら、中国茶の話など
様々聞いて、話し込んでしまう。
この方は、やはり、お客でここに来て、
中国茶にはまって、勉強をしてみようと思い、
ここで働くようになってしまった、と、いう。

中国緑茶を三種類ほどと、小さな湯呑を買い、出る。

再び、ハリウッド通りに戻り、中環方面に歩く。
先に、おしゃれな感じ、と、書いたが、
このハリウッド通りは、先の坂の下よりも、少し山手を通っており、
九龍と比べて、ほとんど、香港とは思えようなおしゃれな街並みである。

ゆるく曲がった道に、骨董の店や、ギャラリー
お洒落なフレンチレストランやら、バーやらがぽつぽつ建っている。

ヒルサイドエスカレーター
(山の上にある住宅地まで住民用の屋根のあるエスカレーターがある。)
まできて、下へ降り、途中の有名麺専家で、雲呑麺と
牛バラ肉の撈麺(ロウミン、汁なし麺)を食う。

牛ばら肉は、やはり本場か、八角の香りが強いが、うまい。
雲呑麺のスープは、前回同様。

これで、ひとまず、地下鉄でホテルへ戻る。



購入した小さな湯呑に、購入した緑茶を煎れたもの。

中国の緑茶は色は濃く煎れない。
小さな湯呑は、日本のお猪口のような大きさ。
景徳鎮で、海老の絵が描いてある。



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