断腸亭料理日記2007

天ぷら

8月12日(日)夜

さて、冷汁で、ビールを呑んで、昼寝。

まったく、夏休みとはいえ、太平楽、である。
しかし、暑い、とはいえ、我慢ができる間は、
扇風機は付けっ放しであるが、エアコンはいれてはいない、
のでは、ある。

17時頃、起きる。

ちょっと前から、どうしたわけか、天ぷらが食いたかったのである。
それも、今風の、薄衣の天ぷらではなく、衣のしっかりついた

色の濃い、江戸前の天ぷら、で、ある。

玉子の多い、ぼってりした衣と濃い天つゆ、で、ある。

あれは、うまい。

まだ、大丈夫であろう、吉池へ買出し、で、ある。

今日は、別段、これでなくてはならない、ということは、ない。
天ぷらの材料、、、と、見ていくと、

キスが、あった。

開いたキスが一皿、10枚ほど、350円。

いかも、ほしい。
解凍物のモンゴウイカ。
一枚、550円と、キスよりも高い。
安い、生のスルメイカなど、にした方が、よいのかも知れぬが、
さばくのが面倒なので、仕方がない、
これにする。

帰宅。

19時頃から、作り始める。

まずは、大根おろしを作っておく。

それから、皿や、天つゆなどの用意もすべてしておく。
揚げ終わったら、すぐに食べられるようにするためである。
天つゆは、毎度であるが、桃屋のつゆ、で、ある。

冷卵水から。

ボールに生玉子。
今日は、色の濃い江戸前衣であるから、玉子は多め。
玉子が多いと、色が付くのが早い、のである。

割りほぐし、冷水と、氷を二かけらほど入れ、よく混ぜる。

揚げ鍋と天ぷら油を用意。
拙亭の、ストックしてある使いかけの油は、3種類ある。
から揚げなど向けの、普通の揚げ油
胡麻油の天ぷら油、フライ用のラード。

天ぷら油を揚げ鍋に入れ、点火。

冷蔵庫から、小麦粉を取り出し、冷卵水に溶いていく。

目指すは、江戸前天ぷらの、ぼてっとした衣であるから
どんどんと入れていく。

とろとろ、よりは、どろどろ、といった感じまで。
よいかな。

まずは、キスから衣のボールに3枚ほど入れる。

まずは手をかざし、油温をみる。
ある程度、手をかざすだけでも、湯温はわかるものである。

そこそこ温度が上がってきたところで、
衣を箸で落として、みる。

OK。高温に上がっていた。

たっぷりと衣をまとわせて、投入。
3枚続けて入れる。

キスは、比較的よく火を通してよいだろう。
揚げている間は、常にひっくり返す。

天ぷらを揚げ始めた頃は、なん度となく油がはねて、
火傷などをしたものである。
魚は特にはねやすい。
当初は、やはり怖いので、揚げている間、手を出すのも、
おっかなびっくり、で、あったが、これは実は逆。
なぜはねるのかというと、均等に熱が入らないと、
はねる、というのである。
つまり、放っておくと、よけいはねやすい、のである。
常にひっくり返し、均等に熱が入ることによって、
はねなくなる、のである。

最近では、ほとんど、はねる、と、いうことはなくなった。

今日は玉子を多くしたので、衣の色は、濃くなりやすい。
狐色になったところで、上げる。

続けて、どんどん揚げる。

モンゴウイカは、一口に切って、やはり、3切れずつ揚げる。

やはり、上げる目安は、色、にしてみた。

どうであろうか。
そこそこ、たっぷりとした江戸前天ぷら、らしい衣になった。

最初に揚げた、キスの衣は、少し、しんなりとしてしまった。
やはり、なかなか難しいものである。
しかし、まあ、許容範囲。

モンゴウイカも、比較的よく揚げたが、特に堅くなることもなく、
うまい。

たっぷり衣の江戸前天ぷら。
これはこれで、うまいもの、で、ある。




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