断腸亭料理日記2007

鮎飯のこと。その2

天然鮎と養殖鮎、どちらが苦いのか?
問い合わせに、答えて、天然鮎を入手。

昨日は、宅配便で、天然ものが届き、養殖ものも買ってきたところまで。

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鮎飯の前に、まずは、ノーマルに塩焼きで、食べてみよう。
鰭に塩をし、むろん、腹も抜かないで、そのまま。

ガスのグリルで焼いてみる。



大きさが違うので、なんとなく、公平感、がない。
どうせやるのであれば、天然ものも大きいのを
入手すればよかったかと、後悔しつつ、、食べてみる。

結論からいうと、わからない。

天然の方がこの大きさである。
これだけ食べても、小さすぎて、味がわからない、、
というのが正直なところ、で、ある。

しかし、それでも、違いを少し挙げてみると、
身は、天然ものの方が、みずみずしいというのか、柔らかい。
養殖ものものの方が乾いている感じ。

しかしこれは、明確なことはわからないが、もしかしたら、
養殖ものの方が、大きい、天然ものの方が小さい(若い)
と、いうことかもしれない。

そして、肝心のはらわたの苦さ、である。

これも、はらわただけ、水を飲みながら、
それぞれ別に食べてみた。

正直のところ、違いはよくわからなかった。
それぞれ、それなりに、苦い。
身はある程度違いがあるように感じたが、
はらわたは、それだけを、取り出しても、
明確な違いは、わかるほどは、ない。
微妙なものかもしれない。
(また、これも、大きさの差、も、あるのかもしれない。)

ともあれ、鮎飯、に、かかる。

飯を炊く。
昨晩、酒しょうゆを入れ、水加減、浸水をしておいたものを
冷蔵庫から出し、スイッチを入れる。

鰯飯やら、秋刀魚飯は、焼いたものを炊き込むが、
鮎は、飯は炊いておき、素焼きにしたものを
炊き上がってから、混ぜ込む。

素焼き、で、ある。
はらわたを、抜いてから焼く、という方法もあるようなので、
養殖、天然と、はらわたを抜いたもの、抜いてないもの、
都合四種類。天然は小さいので、各二匹ずつ、焼く。

飯が炊き上がったところで、素焼きにした鮎を載せ、
再度ふたをし、蒸らす。

15分程度し、開ける。

それぞれ、頭を取り、尻尾を持ち、箸でしごくようにして、
中骨を抜く。

四つの茶碗を用意し、ここに、それぞれ、四種類の鮎の身を
別々に入れ、炊き上がった飯を入れ、それぞれ、混ぜる。

天然、はらわた有り、無し。
養殖、はらわた有り、無し。
都合、四種類の鮎飯の、完成。

天然はらわたなしから、養殖はらわた有りまで、
順番に食べてみた。


結論。
うまいまずいでいうと、
天然はらわたなし>天然はらわた有り≒養殖はらわたなし>養殖はらわた有り

の、順番であろうか。

結局、天然と養殖で、はらわたが、どちらが、より苦いのか、
という議論は、あまり意味がないだろう。
個体差も、大きさによる差も、産地、育ち方、育て方の差などなど
様々、影響を与えるものがあるのであろう。

要は、うまいかどうか、これに尽きる。

鮎飯にする場合、やはり、はらわたは抜いた方が、うまい。
これは、少しでも入れば、苦味が飯全体にいきわたってしまうので、
苦味の度合いはともかく、入らない方が、うまい。

あとは、身がうまいかどうか。
先に、塩焼きを食べたが、あくまで、今日入手したものの
比較ということにしかならないが、
やっぱり、天然の方が、うまい、と感じた。
これは、飯に混ぜても、かわらない。

内儀(かみ)さんにも食わせたが、
内儀さんは、天然はらわた有りと、養殖はらわた抜きの比較では、
天然はらわた有りの方がよい、といっていた。
これは、今日の養殖ものの、身のパサツキが、
評価基準であったようである。

筆者の総合評価は、鮎飯にした場合、養殖はらわたなし、も悪くはない。
鮎飯として、十分にうまい。むろん、天然はらわたなし、が最もよい
のは、いうまでもないが、天然を今日のように、
無理に手に入れるよりは、筆者としては、よいかもしれない。

さて、鮎飯。
以上のような、結果になったのだが、
もう少し、書きたいこともあり、
この項、明日もつづく。


☆お知らせ☆

明日、7/25(水)、またまた、東京FM、断腸亭、生出演?!

TOKYO-FM 『Daily Planet』内
コーナー『Humming Bird』(月〜木、21時〜)

例によって、江戸のロハス、というようなお題のようです。

予定通り、明日、夜9時から、の、ようです。
なにか、作って持ってきてくれ、という要望なので、
この季節なので、毎度おなじみ、鯵の煮びたし、
瓜もみ、なんぞを用意中です。




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