断腸亭料理日記2007

牛ばら肉あんかけご飯、その1

7月27日(金)深夜〜

さて、牛ばら肉あんかけご飯、で、ある。

以前はよく作ったのだが、このところ、少しご無沙汰。

牛ばら肉あんかけご飯は、中華では、
まあ、それほど珍しいメニューではないと思われるのだが、
筆者には、有楽町の広東料理店、慶楽のもの。
これが飛び切り、うまい。

今まで、そういう目で見ていなかったのだが、
この慶楽も、池波作品に登場する料理、先生が通った店、
池波レシピ、で、あった。

先日の佐藤隆介氏の「池波正太郎への手紙」にも載っており、




「銀座日記」


にも書かれている。

先生はこの慶楽では、豚肉ともやしのやきそば、一本であった。

いや、ここだけではない、かなり、先生は焼きそばが、好きであったようで、
「神田のY」こと、揚子江菜館、「銀座のR」こと楼蘭でも、多く食べている。

そういう意味では、この牛ばら肉あんかけご飯、は、
池波レシピ、ではない。

筆者は、若い頃、上司に昼や夜、よく連れてこられ、
池波先生とは別に、この店を元々知っていた、ということである。

前にも書いているが、ランチのメニューに入っている。
それで、昼、ここにくると、必ずこれを食べる。

98年

昨年

さて、これを作り始めたのは、正確には、金曜の夜から。
帰り道、肉が食いたくなり、近所のハナマサを覗くと、
牛ばら肉が、安くなっていたのである。

それで、この牛ばら肉あんかけ、を思い出した。

99年

名古屋時代のものである。

作り方は、とにかく、手間がかかる。
牛ばら肉を、揚げて、煮て、蒸して、また煮る。

この、前の日記を見ながら作る。

大きな塊を一口大に切り、しょうゆ、紹興酒をまぶす。

揚げ鍋に油を入れ、熱する。

熱くなったら、端からどんどん、揚げる。
高温で表面に焦げ目が付くまで。

肉は、結構な量があった。

次に、煮汁を作る。

中華鍋で、にんにく、しょうが、ねぎ(青いところ)、豆板醤を炒める。

ここに、芝麻醤、赤味噌がないので、普通の信州味噌。
中華スープの素(味王)、冷蔵庫にあった沙茶醤、
しょうゆ、酒。
りんごジャム、などと書いてあるので、これも冷蔵庫にあった
カレー用のチャツネ(エスビー)も、入れてみる。

味見をすると、なんとなく、それらしい味になってきた。

さて、これに揚げた肉を入れて、蒸す、のであるが、
なにに入れようか。

蒸すのは、蒸し機能もあるので、圧力鍋。

結構な量もあるので、二人前程度の土鍋がよさそうである。

これに煮汁を入れ、肉、それから、八角も少し入れる。
やはり、入れすぎもよくないが、八角も入らないと
“らしく”ない。

圧力鍋に目皿を入れ、水を入れる。

土鍋を入れ、圧力鍋のふたをし、加熱加圧。
ひとまず、弱火加圧状態で10分ほど。

圧力鍋調理の場合、圧のかけすぎも、今ひとつ。
加圧時間が長いと、皆様ご存知の、レトルトカレーの肉のような
あの味、になってしまう、のである。

圧力鍋を使わないで普通に、蒸し器、
あるいは蒸篭(せいろ)で蒸す場合は
肉が柔らかくなるまで、1時間以上、で、ある。
放置時間を入れると、結局、蒸し器でも圧力鍋でも、
たいして合計時間は変わらないのだが
ガス代の節約、ということにはなる。

火を止め、放置、40分ほど。

圧が抜けているのを確認し、ふたを開け、
肉の堅さをみる。

もう少し、か。

再度ふたをし、加圧、5分ほど。

また、火を止め、放置。

もうよかろう。
開けて味見。


だいぶ柔らかくなった。

この日は、このまま、ビールとともに、
食べてみる。


つゆだけ、別に舐めてみても、これもまた、かなりうまい。
これだけでも、つまみ、に、なる。

酔っ払って、就寝。



この項つづく。


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