断腸亭料理日記2007

飯田橋駅界隈のこと、、、

今日は昨日の続き。

5月23日(水)夜

神楽坂、ワインバー、ル・トランブルーから、
飯田橋の交差点を駅側に渡り、タクシーが客待ちをしている脇を
危なっかしい動きで、通り、ガードをくぐる。

夜、ちょっと酒が入って、自転車で東京の街を走る、
と、いうのは、なかなかおもしろく、
今の季節は夜風が気持ちよく、楽しいものである。
(考えてみれば、立派な酔払い運転、
ということにはなるのであろうが、、。)

ともあれ。

今日は、少し、この界隈、神楽坂下から飯田橋あたりのことを
少し書いてみたい。

ル・トランブルーのある外濠通りの北側は、町名としては
神楽坂(一丁目)、で、ある。
(北側、と、感覚的に書いてしまったが、
地図を改めて見てみると、東側といった方が正しい。
外濠がこのあたりでは東西ではなく、
斜めに走っており、山側、あるいは、牛込側といった方が
よいのかもしれない。)

外濠通りの飯田橋側、JRの線路側は
昔は、そのまま、外濠であったが今は埋められ、
飯田橋駅に沿って、飯田橋セントラルプラザという、細長い、
駅ビルのようなものが、建っている。
ここの町名は、新宿区神楽河岸(かぐらがし)、と、いう。

本来の神楽河岸という町名は、文字通りの定義からすれば、
神楽坂の川岸、河岸地、であるから、
外濠と神楽坂の間の土手あるいは、
通りの脇のスペースのはずである。
しかし、今は、埋められた、内側、飯田橋側を呼んでいる。

ここで、ちょっと、余談であるが、「河岸(かし)」のこと。

現在の町名として残っているところは少ないが
ご存知のように、東京の地名では○○河岸、というのがよくある。

だれでも知っているのは、日本橋魚河岸、で、あろうか。
日本橋付近で、魚を商(あきな)っている、河岸で、魚河岸。

ものに由来するのでは、竹河岸、薪河岸、大根河岸、
竃(へっつい)河岸、などなど。
竃はともかくとして、どれも、
そこでその物を陸揚げていたところからついた地名である。
その他、神楽河岸もそうだが、地名などと合体したもの。
浜町河岸、佐賀町河岸(深川)、鎌倉河岸(神田)、
鉄砲州稲荷河岸、、もう挙げだしたらきりがない。

どちらにしても、この、○○河岸は、ただの、川岸、
という意味だけではなく、物資(や、人)を舟から揚げる場所
であった。

神楽坂の隣町で、飯田橋交差点寄りに、揚場町という町名があるが、
これは文字通りそれをあらわしている。
神田川で運ばれてきた物資は、ここで陸揚げされ、牛込の山手方面へ
運ばれた、ので、ある。

さて、ここ、外濠、ではあるが、今の飯田橋の交差点で、
北側から流れてきた江戸川(神田川)と、合流する。

今、括弧書きをしたが、神田川と江戸川の使い分けのこと。
これにも触れておいた方が、よいかもしれない。

使い分け、などと書くと妙に思われる方もおられるかもしれない。
今、この川は水源の井の頭公園にある、井の頭池から下流、
柳橋の先で隅田川に合流するまで、今はすべて、神田川というのが正しい。

そして、江戸川といえば、江戸川区と千葉県の境を流れる川のことだが、
ご案内の向きもあろう、実は、神田川の上流は、昔は、
江戸川と呼ばれていたのである。

では江戸川と、神田川の境はどこか。
ずばり、この外濠との合流地点なのである。

ここより上流が江戸川、下流が神田川。
これが正しい使い分け、であったようである。

江戸の地図。


そのちょうど、外濠と江戸川の合流地点にかかっている橋のこと。
船河原橋、と、いう。
以前は、ここに、堰(せき)があったという。
意図は、上流(江戸川橋あたり)の水位を上げることと、
下流からの海水の逆流を防ぐため、だ、そうである。

そして、堰から水があふれて、ドンドン、という音がしていた。
このため、ここは、「どんどん」、と呼ばれていたようである。
船河原橋のどんどん、というような言い方である。

飯田橋駅界隈、思いつくままに書いてきてしまった。

まとめ、と、いうほどにはならないのだが、
このあたり、筆者には、やはり、気になる街、で、ある。

なにかというと、やはり、今でも、境界の街、なのであろう、と、いうこと。

外濠や、神田川・江戸川で物理的、地理的に
隔てられているのだが、千代田区と新宿区、との境でもあり、
山手と下町というのか、住宅地と、商業地、というのか、、、。
ここを境に、なんとなく、雰囲気が変わる。

神楽坂を登った、牛込台地は、この先、下がることはなく、
ほぼそのまま武蔵野に続いている。
武蔵野の入り口、と、いえるのかもしれない。

逆に、飯田橋からは、低地かつ平地で、そのまま坂もなく、海、
東京湾、江戸湾に続いている。
そういう意味で、下町の入り口と、いえなくもない。

なんとなく今でも、東京の境界地点の街のように思われる。



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