断腸亭料理日記2008

くりから焼き

4月13日(日)夕

雨はやんでいる。
日本橋で、そばを食い、日本橋北詰のスタバに寄り、
少し寒いが、外のテーブルで日本橋とその上の高速を見ながら、
コーヒーと、一服。








天気も悪いし、暗澹たる、日本橋。
三井さんも日本橋再開発などとおっしゃっているのであれば、
これも、なんとかして下さらないだろうか。

江戸の、東京の、いや日本の顔がこんなことで
いいはずがないであろう。

あーあ。


気を取り直し、、、。
三越前駅に戻り、銀座線に乗る。

例によって、御徒町で、魚を見ていこう。
上野広小路で、降りる。

今日は、吉池。

なんとなく、ピンとくるものがない。
時化(しけ)、で、あろうか?。

うーん。
ぐるぐる、と売り場を見て回る、、、、。

ん?
これは?

端の方。一皿だけ、串に黒っぽいなにかを巻き付けたもの。
四本。

一本、百数十円。

クリカラ、と、書いてある。

あー。
うなぎだ。

焼けば、くりから焼き、で、ある。

これにしよう。
御徒町、吉池は、こんなものが、たまに売っているのが、
うれしい。

ここからは、歩いて帰宅。

くりから焼き、を、少し、調べてみる。
漢字で書くと、倶利迦羅、焼き、だ、そうである。

なんでも、由来は、倶利迦羅龍王という、お不動様、
不動明王の化身だとも、いうらしい。

その姿というのが、蛇が剣に巻きついて、
さらにその剣を呑み込もうとしているもの。
クリカラ焼きの、長いものを串に巻きつけた形が、
この倶利伽羅龍王の姿に似ているということ。
(蛇足だがクリカラモンモンという言葉があるが、
これは、倶利伽羅紋々、で、倶利伽羅龍王の絵の紋々、
刺青(いれずみ)のこと、で、あるそうな。)

さて、夕方、冷蔵庫に入れておいた、串を出してみる。


うなぎであるから、蒲焼と同じでやってみようか。

まずは、蒸す。※

脂が落ちるであろうから、皿の上に浮かせるために、
箸を二本渡し、その上に四本の串をのせる。

蒸し器を熱くし、入れる。
圧力鍋でもあるので、ふたを閉め、
加圧してから、5分ほど。

火を止め、圧が下がるまで放置。

20分後、ぐらいであろうか。
開けてみる。

いいかな。
脂も落ちている。

さて、たれ、で、ある。
うなぎのたれ、などは、拙亭にはないが、
例の穴子の煮汁を煮詰めたもの、鮨やでいう、
ツメ、がある。
これで焼こう。

冷蔵庫に瓶に入れて、ストックしてあるツメを取り出し、
鍋にあける。

これに、先ほど、皿に落ちた、ウナギの脂も加え、
加熱し、少し煮詰めておく。

焼くのは、今日は、オーブンレンジのグリル機能にしよう。

下にアルミホイルを敷き、ひとまず、白焼き。
15分ほど。
火力がさほど強くもないので、時間がかかる。

軽く焦げ目が付いてきたところで、
一度出し、鍋の、ツメに浸し、もう一度、グリル。

これを、2〜3回。
段々に、いい色になってくる。

最後にもう一回、ツメを付けて、完成。


どうであろうか。
なにか、それらしい感じにはなっているではないか。

ビールを抜いて、山椒をふって、食べてみる。

ふむふむ。

ちゃんと蒲焼の味がしている。
うまい。

食べていて気が付いたのだが、これは、
蒲焼にするために、うなぎをさばいた時に出る、
切れっ端。端っこ。鰭などもわかる。

くりから焼き、どうも私は、
こんなB級な食い物に弱い。


※その後、プロ(鮨やのお兄ちゃん)に聞いた話。
うなぎ蒲焼は、まずは、白焼き、次に蒸す。
そして、たれをつけて、焼く。
この順が、本当、だ、そうである。
理由は、不明。




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