断腸亭料理日記2008

仲御徒町・そば・吉仙

1月27日(日)第二食

午後、床屋に出る。
例によって、QBハウスなのだが、今日は、御徒町。

落語を口ずさみながら、歩く。
昭和通りを渡った向こう側。

ここはいつも比較的混んでいるのだが
14時すぎ、今日は、待っている人もなく、すぐできる。

魚を見に、JRの向こう側、吉池へまわる。

氷見のメジまぐろ、今が旬、などと書いてある。
一本¥3000、だが、サクでも売っている。
脂がありそうである。

それから、穴子。
久しぶりに、煮てみようか。

さて、そばを食おう。
実は、最初から、帰りにそば、と、決めていた。

仲御徒町の吉仙

昭和通り沿い、先ほどのQBハウスの反対側、
多慶屋方向に少しいった、ビルの地下。

一茶庵系ということで、筆者の定義では、
“趣味そば系”に、なるのだが、ここは居心地が悪くないので
気に入っている。

“趣味そば系”の居心地の悪さは、求道主義的な
押し付けがましさに、大きな態度、なのである。
誰かがいっていたが、客を迎える態度、顔でない。

そういう意味で、ここは普通に、
客商売の顔を持っている。

入ると、午後の半端な時間だが、そこそこ入っている。

お酒を、お燗でもらう。
お燗の銘柄は、静岡の開運の特別純米。
ここは、置いている銘柄も多いのだが、
熱燗というと、これになるらしい。

開運は以前にはよく呑んでいた酒であるので、
そこそこ知っているのだが、この特別純米でも吟醸系で
香森がよい。お燗をしてしまうのは、いささかもったいない気がする。

頼んだそばは、揚げ玉そば、という名前であったか、
たぬきそば。
寒いので、やはり、温かいそば、がよい。

と、そばの種類を聞かれる。

ここでは太打ちの田舎か、普通のそばがあり、
温かいそばでも聞かれる。

太打ちを頼む。
やはり、太打ちがあれば、そちらを頼んでしまう。

一緒にお持ちしてもよろしいですか?
と、聞く。

これを聞くかどうか、大きな違いである。
客の呑むタイミングを見て持ってくるのは、
はっきりいえば、店側とすれば、面倒である。
しかし、呑む側とすれば、呑むのと食べるのは、
別にしたい、と、思うことも多い。

どこやらの、趣味そばで、これをいったがために、
そばが延びて出てきた、ということがあった。
作ってしまったのを、ただ置いておいた、
というだけの時間差であった。

こんなところは、論外なのだが、
これでも、趣味そばでござい、と、いう顔ができてしまうのが
不思議、で、ある。

そばや、と、すれば、最低限、呑んでる客に、時間差を聞く
くらいは、してほしい気もする。
この配慮があるかどうか、客の方に顔を向けているのかどうか、
大きな違いであろう。

一本でやめるつもりであるし、
一緒でいいですよ、と、頼む。

先に酒がきて、呑みはじめる。

いう通り、かなりの熱燗。

外は、かなり寒かったので、暖まってよい。

そばもきた。


揚げ玉ものっているが、実に大きな、
椎茸の甘辛く煮たのが、のっている。

肉厚で、どうであろうか、直径、10cmとはいわないが、
6〜7cmはあろうかという椎茸。

これが、格別にうまい。
揚げ玉の浮いた、熱いつゆ。
濃い色の太打ちの、田舎そば。

つゆも全部、飲み干す。

寒かったのだが、呑んで、食べているうちに、汗をかいてきた。

いや、いや、
うまかった、うまかった。

勘定をして、出る。

これはよかった。
めっけもの、だったかもしれない。


吉仙
TEL:03-5688-1200
住所:〒110-0016 東京都台東区台東4丁目8−5




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