断腸亭料理日記2008

六本木ヒルズと、永坂更科

6月29日(日)

さて、日曜日。

今日は、日曜日であるが、仕事。
それも、六本木ヒルズへ。

私など、用もなければ、六本木ヒルズはおろか、
六本木などには、今はまったくいかなくなった。

前にも書いたが、若い頃、社会人になってすぐの頃は、
まさに、バブル絶頂。
あの頃には、まだ、それでも、うかうかと、
遊びにもいっていた。
まあ、時代、で、あったのであろう。

個人的には、バブル崩壊と、下町葛飾への転居によって、
六本木などは物理的に遠くもなり、また、心もちとしても、
遠い世界になっていった。

六本木ヒルズができても、行ってみたいと思いもしなかったし、
行った経験といえば、これも仕事がらみの接待で、
連れていかれたのが一回。
ほんのそれだけであった。

しかし、六本木ヒルズというところは、
行かれたことのある方は、おわかりであろうが、
本当に、わかりずらく、作ってある。
目的の場所に素直にたどり着けないように
作ってあるとしか思えぬ。
おそらく、セキュリティーやら、人の流れを分けるためやら、
様々歩かせて、ものを見せる、買わせる、ため、
なのであろう。

ともあれ、仕事が終わり、行きは、
六本木駅から、入ったのだが、帰りは、
麻布十番駅へ向かう。
(実のところ、ここは中も分かりずらいが、
入るのはときはまだよいのだが、
出るのは、どこから出てよいのか、これも分かりにくい。)

3時過ぎ。

けやき坂から、前の通り(トンネルのある通りである。
この通りはなんというのであろうか。)
へ出て、鳥居坂下、右側に十番の商店街をみて、
麻布十番駅、新一の橋の交差点までくる。

この北西の角には、永坂更科、布屋太兵衛があった。
予定の行動。入ってみるか。

ここで、以前に、麻布野田岩のところで出した、
江戸の地図をご参照されたい。

今は、上を首都高速が走る坂が、永坂。
(正確には、今の坂を少し上がってからが、永坂、のよう。)

麻布永坂という町名も今でも坂の東側に残っている。

永坂更科の名前は、昔から東京では有名であろう。
出店も少なくない。

更科といえば、永坂。

この界隈に、更科を名乗るそばやは、ここ以外にもう一軒ある。
更科堀井という店。
十番商店街の、六ヒル寄りにある。

二軒のホームページを出しておく。

永坂更科

更科堀井

本当の元祖は、堀井で、十番商店街の方であるよう。

その、堀井の方を読むと、店が左前になったときに、
永坂更科、布屋太兵衛、の名前を手放してしまったという。
その後、店は再興したが、永坂更科の名前は名乗れず、
今に至っているという。

この店に、歴史あり、であろう。

ちなみに、例の木鉢会には、堀井の名前がある。

ともあれ。

今日は、その坂下の、永坂更科の麻布総本店の方に入ってみる。
初めて、で、ある。

昼前は強い雨であった。

3時過ぎの今は、雨は多少小降りになったが、蒸し暑い。
六ヒルから、歩いてくるだけで、汗だく、で、ある。

冷房がきいて、黒を基調とした、店内は、落ち着ける。

半端な時間だが、そこそこ客は埋まっている。

ビール小瓶をもらい、
名物の、御前そば。


更科の、代名詞、まっしろなそば。
こんなに白かったのか、と、思ってしまうほどの印象、で、ある。

同じように、白いそば、といえば、砂場、であるが、
これは、拙亭の近所にもあるが、ここまで白くはなかった。

印象であるから、まあ、あまりあてにはならないが。
(写真を見比べても、よくわからぬ。)

また、東京の老舗そばやにしては、随分と、盛りが多い。

ともあれ、食い終わり、勘定をし、
再び雨の、新一の橋交差点に出る。


さてさて、今度は、
その元祖堀井にもいってみなくてはなるまい。



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