断腸亭料理日記2008

人形町・もつ焼・カミヤ

6月4日(水)夜

さて、今日は昨日の続き。

いや、実際は続いていないのだが、
気持ちとしては、続いている。

塩らっきょ、の、ことなど、書いていたら、
案の定、というべきか、もつ焼きが食べたくなったのである。

五反田で19時に仕事が終わり、ここから、
もつ焼きが食えるところ?

五反田もあるのだろうが、いま一つ知らない。

都営浅草線で一本、人形町まで行ってしまおう。
人形町の、カミヤ。

暖簾分けなのかどうか、聞いたわけではないので、
わからないが、上野に同じ名前の店があり、
最近はこちらによくいっていた。

人形町のカミヤは随分前からいっていた。

人形町を降りたのは8時近くになっていたであろうか。
AM/PMのある、人形町交差点に、出る。

その、AM/PMの隣が、地下鉄の出口で、
その隣の隣。

人形町というのは、基本的には、もともと花街であり、
今でも、すき焼きの人形町今半やら、喜寿司やら、
目の飛び出るほど値の張るところも少なくないが、
こんなもつ焼きや、も、あるのが不思議である。

表の扉を開けると、すぐに店の奥に向かって、
カウンター。細長い店である。
カウンターはいっぱい。

カウンターの真ん中にいる、若いご主人なのか、
店長なのか、に、「一人」と、一本指を立てる。

二人以上であると、満席だと、むずかしいが、
一人ぐらいは詰めてもらって、座れるもの、で、ある。
また、そこが、こんな店のよいところである。

カウンターのちょうど、角に、場所を作ってもらい、
座る。

飲み物は?

レモンハイ!

それと、10本のセットを塩でもらう。
ここは、単品だと、3本とか、5本で頼むシステムに
なっている。

上野のカミヤと同様(向こうが同様なのかも知れぬが)
お通しに、人参、きゅうり、大根のぬか漬けが
小皿にのせられて、出る。

焼き上がるまで、これをつまみながら、
レモンハイをなめながら、待つ。

ちょうど、目の前で焼いている。

この店は、2F、3Fの座敷もあり、
いつも(今日も)満席。

ひっきりなしに、注文が入り、お姐さんが
手際よく、焼いている。

炭焼き。それも、備長炭、と、書いてある。

人形町、それも、この店の客筋はどんな人なのであろうか。
見た感じ、むろん、ほとんどがサラリーマン。
やはり、遠くからくるような店でもなかろうから、
近所に勤める人々であろうか。
会話を小耳で聞いていると、様々な業種の用語が聞こえてくる。

しかし、こういうもつ焼きやのカウンターで
呑んでいる人々は、やっぱり皆、楽しそうに話し、
元気そうな顔で、呑んでいる。
これが、もつ焼きや、の、よいところであろう。
一人でいても、元気になる。

結構待ったか、、。

きた。


もつ焼きとは、焼きとん、などとも
いう通り、豚、で、ある。
豚のモツであるから、ものがよくないと
やはりだめ。

ガツやら、ハツやら、アブラやら、レバやら、、、
どれがどれだか、10本もあると、
もうどうでもよいが、どれも、うまい。

腹も減っているので、バクバク食う。

レモンハイを、もう一杯。

さらにレバ刺し。
おろしにんにくに、しょうゆをかけて。

豚のレバ刺しは、なかなかのもの、で、ある。
焼きとんやの、真髄で、あろう。
冷静に考えれば、なんでまた、こんなものを食うのか、
と思えてしまうが、これがまた、うまい。

お勘定。
¥2000でおつりがくる。

店を出る。
なにか、元気が出た。

よいものである。



人形町・カミヤ



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