断腸亭料理日記2008

めごち五十匹 その2

6月22日(日)第一食

それにしても、昨日は、めごちばかり、
三十匹ほどを、一人で食べてしまった。

これで呑んで、引っくり返って寝ていると、
内儀(かみ)さんが帰ってきた、という、

テイタラク、で、あった。


さて、翌日。

残っためごちが、まだ、二十匹程度はある。

どうしようか。
めごちというのは、他の食い方はあろうか。
から揚げ?
天ぷらと、大差ない。

思い付いたのが、蒲焼。
甘辛のつけ焼き、のようなものは、どうだろうか。

残り二十匹、全部を、さばく。

一匹に、2〜3分、で、あろうか。
2分でも40分。
3分だと、1時間はかかる。
1時間まではかかっていないと思われるが、
少なくとも、30分以上はかかっていただろう。

小魚をさばく、というのは、本当に
骨の折れるものである。

昨夜、気が付いたら、指の包丁があたる場所に
豆ができていた。

一人前の職人であれば、一匹、30秒もあれば、
おろしてしまうのであろうか。

ともあれ、まずは、白焼き。
とりあえず、焼いてみる。

焼き上がったのをみると、なかなか、うまそう。
ちょっと、塩をふって、このまま食べてみようか。


ありゃ。これはだめだ。
食べられないことはないが、やはり、生ぐさい。
鮮度がよければ、刺身でも食べられる、
とは、いうが、これはそこまでの鮮度はなかった。
やはり、だめだ。

しかし、それにしても、めごち、と、いうのは、
焼いてしまうと、随分小さなものである。

ともあれ。

やはりつけ焼き、蒲焼にしてみよう。

しょうゆに、みりん、砂糖を入れて
つけだれを作る。
お椀に入れて、軽くレンジ加熱。

白焼きから、焼き上がったところで、
なん度かたれを付けて、焼く。


これは、食える。
わるくない。

しかし、天ぷらには、はるかに及ばない。
めごち、というのは、ほぼ、天ぷら専用のようである。

同じ天ぷら用の魚でも、穴子などは、
煮ても焼いても、うまい。

いかは、刺身でいけて、煮ても焼いても、なんでもこい。
沙魚(はぜ)は煮てもよい。

しかし、考えてみれば、キス、なども、ほぼ、天ぷら専用か。
(他には、ぎんぽ。
これはまあ、レアものなので、別段考えなくとも
よいか。)

天ぷらにする魚、というのは、天ぷらでしか食べられないから、
天ぷらにする、というのでは、ないだろう。
めごちにしてもキスにしても、天ぷらは、
そうとうにうまい。
してみると、たまたま、天ぷらには、そうとうにうまいが、
他には、うまい料理法がなかった。
そういう魚なのかもしれない。

さて、残り、10匹。

結局、もう一度、天ぷらにする。

大根おろしも残っていたので、
今度は、内儀さんにも食わせる。

うまかった、うまかった。
やはり、めごちは、天ぷら以外にはない。


今日のめごち、五十匹もあって、300円。

アメ横の魚や、で、あるが、
むろん、ハズレ、も、ある。
しかし、今週はよかった。
かなりの儲けもの、で、ある。



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