断腸亭料理日記2008

インドカレー・デリー・上野店

3月3日(月)夜

随分、久しぶりかもしれない。

上野広小路というのか、湯島というのか、
春日通り沿いの、カレーや、デリー。

(調べてみると、昨年の5月、ではあった。)

今日も少し暖かかった。
段々やはり、春に向かっているのだろう。

あんまり寒いと、辛いカレーという気分にはならないのだが、
少し、暖かくなってくると、カレー。

その上、今日は、午前中、二日酔いであった。

昨日、西浅草のおざわへいって、帰宅し、
そのまま、またまた寝てしまい、例によって、夜中に起き、
また呑み直す、というような、ひどいことになっていた。

なんとなく、もやもやした体調と気分をシャキッとさせよう、
ということでもある。

8時半前、オフィスを出る。
デリーは、夜は、9時半まで。

大江戸線、上野御徒町で降りて、春日通りを湯島方向に
急ぎ足で歩く。
いつものように、このあたりは、外国人らしい
客引きの女性も多く出ている。

さて、着いた。
満席ではないが、なかなかにぎわっている。

カウンターに座る。
ここは確か、カレーに飲み物と、タンドリーチキンの付いた
セットがあった。

と、こんなものが張ってある。


カシミールカレープレミアム。

筆者が、ここで頼むのは、極辛の、カシミール、と、決めている。
これはその、限定品、らしい。
鶏と、じゃがいもが、特別のよう。
それもたまたま、月曜日の限定。
ついでであるから、セットのカレーをこれにしてみようか。
+200円。都合、2000円。

飲み物は、ビール。

(特別な鶏と、じゃがいも。
上に書いてあるのを見ると、さつま赤鳥、であるが、
正確には、赤鶏さつま。
鹿児島県出水市の赤鶏農協というところの、銘柄鶏だと思われる。
それから、じゃがいもの、インカのめざめ、というもの。
これは、ジャガイモの原産地といわれる、アンデス地方の、
希少種を日本で改良し、北海道などで作られているものらしい。)

ビールがきて、タンドリーチキンにサラダの付いたもの。


ビールを呑みながら、タンドリーチキンを食う。

そうこうするうちに、カレーもきた。


ノーマルなカシミールにはじゃがいもは入っていない。
このプレミアム、には、その、インカのめざめ、なる、じゃがいも、と、
赤鶏さつま、なる、鶏が入っている。

玉ねぎの赤唐辛子和え、というのか、インドでいう
アチャール(これがうまい。)ときゅうりのピクルスが
カウンターに置かれているが、これをライスの皿に取る。

一口目、食べる時には、舌と口、そして身体全体が緊張する。
いや、その後もずっとなのだが、一口目は特に、これから
訪れる、辛さのめくるめく刺激を思い浮かべ、
身体が反応し、期待と共に身構える、のである。

カレーソースをスプーンに取り、ライスも同時にスプーンに取り、
そのスプーンの上のライスに、カシミールの暗褐色の
ソースをかけ、口に入れる。

激烈な、香りと辛さが舌から、口全体に広がり、
頭のてっぺんに突き抜ける。

この刺激、で、ある。
刺激、ではあるが、ただ辛い、というのでは、むろんない。
香りもクセになる。後から後から、口に入れたくなる。

このプレミアムカシミールは、スパイスも挽き立て、で、
あるという。
より、香りと、辛さが突き抜けている、と、いうことであろうか。
たまたま今日食べた限りでは、ノーマルなカシミールとの
違い、というのは、わからないが、強烈であることは
間違いない。

さて、ジャガイモ、インカのめざめ。
これは、まず、色が濃く、食感もしっかりしており、
あまみも濃い。
鶏は、、確かに食感もよく、味も濃いように思われるが、
このカシミールの強烈なソースのなかでは、
微妙なところは、わからない。

食べ進むうちに、後から後から、汗が出てくる。
汗をふきふき、どんどん食べる。

水はできるだけ、飲まない。
これはやはり、せっかくの刺激を、
だいなしにしたくないからである。

食べ終りが近付いてくるのが、惜しくなる。

ある種、この痺れる辛さと香りは、
麻薬性があるのかもしれない。

ともあれ、滝のような汗をふきながら、食い終わり、一息。

勘定をして出る。

寒い外へ出ても、一向に汗は引かない。
しかし、これもなかなか気持ちのよい汗、で、ある。

これで少し、悪いものが出ていってほしいものである。



HP


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