断腸亭料理日記2008

松輪の鯖で、〆鯖

5月25日(日)夜

さて、日曜日。

今日は、雨模様。
お祭りのシーズンであるが、今週はどこであろう。
雨では、たいへんである。

昼過ぎ、雨もあがっているようだ。
床屋かたがた、下駄を履いて、出る。

方向は、今日は仲御徒町方面。
毎度のQBは、あちらにも、ある。

佐竹商店街を突っ切って、竹町公園を通って、
昭和通りまで出る。

渡って、南へ少しいったところ。
運よく待っている人もなく、すぐやってもらい、出る。

予定をしていたのだが、昭和通りを北へ戻り、
そばやの、吉仙へ寄る。
ビールをもらい、穴子天盛りを、太打ちにしてもらう。
うまい。
なんだかんだいって、ここは、よいそばやである。

さて、魚の買出し。

吉池から、アメ横を見て回る。

と、松坂屋の脇に、神酒所があり、上野町の半纏を着た人々。
おお、そうか。今週は、五條天神であったか。

アメ横の魚は、今日はいま一つ。
結局、吉池に戻り、少し迷ったのだが、松輪の鯖。

松輪の鯖、というのはご存知であろうか。
読みは、まつわ、で、ある。

東京の周辺では、名の知れた鯖であろう。
松輪とは、三浦半島の先っぽ。

ブランド鯖。
そんなものが、吉池とはいえ、小売の魚屋で
並んでいるのは珍しい。
私ははじめて見た。

30cm以上あろう。
一本、800円。
鯖一本の値段としては、かなり立派。

吉池の兄(あん)ちゃんが、これはいいですよ。
どれにします?
腹を押して、しっかりしたもの、これなんかどうです?
と、いう。真似をして押してみると、なるほど。
しっかりしている。
そういうものであるか。
じゃあ、それを。

帰宅。

こんな感じである。


立派だし、色つやもよい。

松輪の鯖であれば、まあ、一先ずは、
〆鯖以外にあるまい。

おろす。

頭を落とし、腹を裂く。

お?!
子がある。

やられたか?!

前にも、あれはアメ横であったか、かなり安かったのだが
子があり、脂もなにもすっかりなくて、パサパサであった。
やはり、この季節。
鯖の旬は、むろん、秋から冬。
夏前は、鯖の産卵期であった。

だから、吉池にあったのか!?

しかし、松輪で、800円である。
一先ず、作ってみよう。

二枚におろし、大きいので、〆るのは半身でよいだろう。
もう半身は、骨付きのまま、冷蔵庫へ。

きれいに洗い、水分を拭き取る。
ざるに乗せ、塩を両面たっぷりとふる。

今日は、ものもよいので、塩を多目で、短時間にしてみよう。

1時間。

よく洗い、これもよく拭く。

皮をむき、酢に漬ける。

酢には、塩と、気持ち砂糖。

上からペパータオルをかけておく。

これも1時間。


〆方とすれば、かなり、浅め。

どうであろうか。
切ってみる。

切ってもわかるが、身がしっかりしている。

皿に盛り付け。


ビールを抜いて、わさびじょうゆ。

おお。
これは、これは。

かなりうまい。

脂も十分にあるが、くどくはない。

また、鮮度であろう。
鯖らしい、うまみ、は、あるが、なまぐさみはない。

子があっても、これだけのものであるか。
さすがに、松輪の鯖、で、ある。

こんな〆鯖であれば、いくらでも食べられる。

素人の腕でも、ここまでうまい〆鯖ができようとは。
やはり、松輪の鯖は、相当なものである。

上記、松輪の漁協のホームページによれば、
鮮度を落とさぬため、セリも水に入れたまま行なう、と、いう。
なるほど、これならば、と、納得できる。

魚屋では滅多に見かけられぬが、
また見つけたら、是非買わねば。

今日は、大当たりで、あった。


PS
もう半身は塩焼きにしておき、火曜日朝、
焼き冷ましをレンジで温めて食べたが、
こんな状態でも、脂もあり、かなりの美味であった。




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