断腸亭料理日記2009

新橋烏森・鮨処・しみづ

4月30日(木)夜

さて、連休の狭間だが、出社。
出社の理由は、なかなか、捕まらなかった上司への
報告と相談。
事務作業が溜まっていたわけではない。

それが終われば、まあ、今日はよい。

鮨でも食いにいこうか、で、ある。

新橋、しみづ、にしようか。

神保町の鶴八、に、しようか。

(鶴八は、この後、今月にも、ここには書いていないが、
一度きている。)

同様に今日出社をしているが、早く帰りたそうな、
鮨好きの同僚も誘い、彼も好きだという、しみづ、へいったみようか。

連休の谷間だから、すいているだろうと、
たかをくくっていたが、昼、TELをしてみると、
6時半以降一杯、とのこと。
今日は、もういいや、と、相談がまとまり、
5時からにする。

5時、一番乗りで、店に到着。
まだ暖簾も出ていない。

葭簀の格子を開けて、のぞき、名乗る。
むろん大丈夫。

カウンター、せっかくだから、真ん中の
親方の前に二人で座る。

私は瓶ビール。
連れは、呑めぬので、お茶。

お通しに小鉢に入った、ほたるいかが出る。

やっぱり、つまみをもらおう。
親方の後ろの壁にかかっている、木札を見て、
前にも頼んだが、煮いかをもらう。

このところ、乾燥もしているので、ビールがすすむ。
前回も書いたが、グラスが大きいのもあり、
ごくごく呑んでしまう。

連れが、お茶だし、すぐに、にぎりに。

どれもうまそうなので、どうも、
木札の右端から頼みたくなる。

きす、かれい、から。

最初に、きす、がくる。

前回もそうだったように、思うが、
最初に、これを食べると、あー、しみづ、の、味だ、
と、思い出す。

赤酢を使った、濃い味付けの酢飯と、
同様によく〆た、きす。

むろん、うまい。

最初に頼むのに、きすがよいのどうなのか、
わからぬが、しみづらしさを感じる瞬間、で、ある。

次に、かれい。

白身ももう平目ではなく、かれい。
まこがれい、で、あろう。

次は、木札の隣、かつお、小肌。
ビールを呑みきってしまったので、一本だけ、
酒を冷や(常温)で、もらう。

先日、自分で鰹を一本さばいて、食べたが、
やっぱり、ちゃんとした、プロのものを食べねば。

鰹のサクを箱から取り出している、親方の手元を見る。
この前の、自分でさばいたものとは、大違いの赤い色。
やはり、この色が、鰹の色、で、ある。

にぎって出される。
みずみずしい、初鰹のにぎり、で、ある。

最初のきす、から、光ものを続けた方が
よかったような気もするが、小肌。

前回同様、二枚でにぎる。
ここはいつも、二枚、なのであろうか。
どうも、そのようである。

二枚といっても、まるまる一匹を二枚つける、
のではない。そのくらいの大きさでは、
新子である。
一匹を半分にしたものを二枚、で、ある。

小肌の場合、大きさ、切り方、にぎり方にも色々ある。

開いてあるものを縦(中骨と垂直方向)に切り、
飾り包丁を入れて、蝶のような見た目にして、握る。
これは、神田鶴八をはじめ、

一心


美家古・浅草橋店


柳橋美家古鮨系、ではよくみられる。

この切り方、にぎり方は、むろん、見た目に美しい、と
いうことがあるだろう。

また、浅草橋店のように、真っ直ぐに縦に切って、
にぎれる、ということは、魚がそこそこ大きい、
ということでもある。

しみづ、の、ものは、
魚の大きさとしては、小さめ、で、あろう。
そして、身は薄め。
(上の写真で見れば、しみづ、の魚の大きさは、
一心、と同じくらいではなかろうか。)

で、あるからか、〆具合も強め、のように思われる。

きすのところでも書いたが、
濃い目の酢飯と合わせて、うまい小肌、で、ある。

次は、あおりいか、しまあじ。

あおりいかは、前回同様、柔らかく、あまく、うまい。

さて、しまあじ。
これが、また、最初にきた時の、ぶり、と同じような拵え方、のようである。

サクごと霜降りにし、〆てあるのか、、。
脂のある、白身ではないが、この系統の
魚には、こうしているのか。
ともあれ、うまい。

ここで、時間がかかるので、前回同様、
海老を頼んでおく。

連れが、好み、だという、はまぐり。
それから、たいらぎ(平貝)。

店に入ったのは、一番乗りで我々だけであったが、
気が付いたら、カウンターは一杯。

他の客を見ていると、親方が聞いている様子はなく、
自動的に、(いや、聞こえないように、聞いているのかもしれぬが)
おまかせ、で、出している客もいるように見える。
また、今日は、おまかせ、の客が多いようにも思える。
この店は、どちらがよいのだろうか、、。

海老がきた。
やっぱり、半分に、トンっと包丁で切って、出す。
色よく、みずみずしく、あまく、うまい。

さて、そろそろ、仕上げ、と、思っていると、
親方が、まだ、まぐろ、食べてませんね、と、
いう。

私もそうだが、連れも、特にまぐろがなければ、
というのでもないので、頼まなかった。

こういってくれるのは、やはり、自信がある、
のであろう。
と、いうことで、中トロ。

まぐろも、ここの看板、で、あろう。

うまい。

穴子。
毎度、だが、ここのお得意、炙って、塩と甘だれ。
むろん、うまい。

連れが好き、だというので、玉子。

ここの玉子は初めて、で、ある。

形を、文章で、説明をするのがむずかしい。

板状の玉子焼きを、つなぎ目を残して、縦に半分に包丁を入れ、
酢飯とともに、にぎる。切った後の厚みは1cmもなく、
6〜7mm。

よく、もっと厚みがあるが、カステラのような玉子焼きを
作るところで、にぎって出す、家の屋根のようになる、あの形、で、ある。

ちなみに、神田鶴八もこの形で、厚みも同じくらい。

ただし、鶴八と違うのは、ふんわり感。
ここ、しみづ、のものは、どちらかといえば、そのカステラ系、
に、近い。
そして、おぼろもはさんである。

連れが絶賛していたのだが、
なかなか、うまい、玉子焼き、で、ある。

最後に、やはり、連れの希望で、
わさびをおもい切りきかした、海苔巻(かんぴょう巻)。

うまかった、うまかった。

これで、お勘定。
二人で、25000円。
(今日は、酒が一本増えたからか。)
しかし、安い、で、あろう。

店を出ると、ちょうど、6時。
新橋の街は、まだ明るい。

ぴったり、1時間であった。

長くもなく、短くもなく。
よい具合。

鮨やは、このくらいがよいのかもしれない。


大満足、で、ある。




TEL:03-3591-5763
住所:東京都港区新橋2丁目15−13




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