断腸亭料理日記2009

ラフティー、、、

鰹削り節、鰹節削り節のこと。

2月25日(水)夜

依然として、風邪。鼻が思わしくない。
高熱でも出れば休めるのだが、ずるずると引きずってしまう。
おそらく、微熱はあるのだろう。

そんなことで、今日は、出先から、少し早目に帰る。

帰り道、なにを食べようか、考える。

なぜか、思い浮かんだのが、ラフティー。
沖縄風の豚角煮、で、ある。

元気が出そうな、感じがした、のであろうか。

このところ、作っていないが、
少し前にはよく作っていた。

99年6月

99年9月

2004年

豚角煮は、バラ肉の塊なのだが、あのギトギトがよい、
という向きもあろうが、私は、やはり、あまりしつっこいのは今一つ。

この沖縄風豚角煮、ラフティーは、
驚くほど、さっぱり。

時間は多少かかるが、誰でも上手くできる。

ポイントは、沖縄ということで、泡盛で、茹でる。

ハナマサに寄り、角煮用のバラブロック、
それから、泡盛は売っていないので、麦焼酎。
紙パック、1.8Lで、1000円のもの。

以前は、いわゆる本格焼酎ではなく、安いので、
甲類を使っていた。
(まあ、甲類でもできないことはない。)

帰宅。

時間短縮のため、圧力鍋でやってみよう。

ただし、圧力をかける時間は短めにした方がよかろう。
肉に高温高圧を長時間かけると、あの、レトルトカレーの
肉になってしまう。

圧力鍋に、バラ肉の角切り、を、入れ、
焼酎だけをヒタヒタに注ぐ。

ふたをして、強火で加熱加圧。
蒸気がたったところで、弱火。
ここから、10分程度か。

10分経過し、火を止める。
これで、放置。

圧が下がるのを、待つ。

30分ほど。

開けてみる。

う〜ん。もう少しか。

再度ふたをし、再度、加熱加圧。
今度は、6〜7分。

また放置。

合計1時間、開けてみる。

本当の作り方は、水のみで1時間の下茹で、
茹で汁を半分捨てて、焼酎(泡盛)を半分足して、
さらにここで薄く、しょうゆと砂糖で下味付け。
これで1時間さらに煮る。
仕上げにしょうゆと、『鰹削り節』を加え煮込む。
こういうもの、であった。

若干、今回は崩してしまったが、
焼酎だけで茹でたここで、しょうゆ、砂糖を加え、味付け。

味見。

ちょっと、濃いめに。
やはり、角煮は濃い味がよいだろう。

もう一度ふたをして、加熱加圧。
5分。

また放置。

15分ほど。
最後に、うま味付け。

先に書いた『鰹削り節』ではなく、『鰹節削り節』を入れる。
『鰹削り節』と、『鰹節削り節』は、むろん違うもの、で、ある。
ご存じであろうか。

ラフティーとは関係ないが、書いておく。

今、東京のスーパーでも2種類の削り節が売られているのだが
鰹節には、とても大きく分けると2種類ある。

燻しただけのものと、かびを付けたもの。
東京に生まれ育った私などは、子供の頃から、
鰹節といえば、この、かびが付き、粉をふいた鰹節であった。
家で、かつぶしをかかされたが、これもそう。

江戸の頃から、鰹節の産地といえば、土佐。
土佐から、江戸へ燻しただけのものが
運ばれる際に、かびが付いてしまった。
これが、東日本の鰹節の元であるという。
(なにか、お茶の葉が、インドから、英国に運ばれる際に
アフリカ回りの船の中で醗酵し、これが紅茶になったというのに、
似ているが。)

カビが付いた方が、うま味と香りが強いのだが、
こうした発生もあって、東日本は、かびが付いたもの、が
一般的になっていった、という。
しかし、かびが付いたもののうま味は、香りが主のため、
揮発しやすく、煮てしまうと飛んでしまい、
出汁を取るのには、実は向いていない。
(私の家でもそうであったが、東京では、これで

出汁を取る家が多いのではなかろうか。)

先の、売られている削り節の、2種類の名前。
『鰹削り節』は、かびの付いていない西日本のものの削り節。
『鰹節削り節』は、かびの付いた、東日本の削り節。
見た目にも違うのだが、
これはJASで決められている品名なので、
パッケージにも必ず書いてある。一度見ていただきたい。

使い分けは、煮出して濃い出汁を取る時には、鰹削り節。
鰹節削り節は、おひたしにかけるなど、
そのまま食べる場合や、出汁でも追い鰹、など
最後に、さっと鍋に入れ、すぐに火を止める、
という使い方する。)

ともあれ。

そんなことで、軽く煮たてて、終了。

盛り付け。


正しい、作り方だと、時間もかかるが、
もっとトロトロ、になったような気がする。
しかしまあ、焼酎で茹でるだけで脂っこさは、格段に減る。

そこそこの、ラフティーらしきもの、が、
できた。

和辛子をつけて、、、。

うまい、もので、ある。



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