断腸亭料理日記2009

正月、雑煮と鴨鍋、

鴨せいろ、さらに鴨鍋もう一つ

1月1日(木)、2日(金)、3日(土)

さて。

明けて元朝。

まず、炭を熾す。
むろん、餅を焼く、ためである。

ガスで炭を熾し、火鉢に移し、餅網を五徳の上にのせ、
餅を焼く。


むろん角餅。

雑煮は鶏がら出汁でしょうゆ。

入るものは鶏肉と里芋、小松菜、三つ葉を散らす。
毎年のことだが、鶏は、がら、肉ともに、暮れに、近所の鳥やで買う。

三つ葉以外は、大晦日に切って茹でておく。

元朝、鶏がら出汁にしょうゆを入れて煮立て、
ここに具を入れて、温め、焼き上がった餅を入れる。

餅を入れてからは煮込まない。
餅の食感を保つため、で、ある。

これは、先祖伝来の教え、で、ある。
と、いうのも大袈裟だが、親父も爺さんも必ずこうさせていた。
母親が少しでも煮てしまおうものなら、やり直させていた。

全国的には、雑煮も餅は焼かずに、つゆで柔らかくする地方も
あるやに聞き、また、どろどろになった餅が好み、
という人もあるようだが、やはり、私も溶けそうな餅は
いけない。

焼いただけの餅そのままの食感が、雑煮の餅、で、ある。

従って、つゆのしょうゆ味は、やはり、濃いめ。
しょうゆのみ、酒も入れない。


こうして出来上がった、雑煮。

うまいものである。

親父はそうとうに、この雑煮、というものが好きであった。

子供の頃のこと。
家では暮れのうちから、むろん雑煮の支度はできているので、
大晦日などにも、親父は雑煮を食いたがり、明けてからにしなさい、
という母と、喧嘩になり、怒った親父はお膳をひっくり返す、という、
無法ものであった。
大晦日に、お膳をひっくり返されると、家はたいへんで、ある。
(まあ、よくあることではあったが。)

さて。

もう一つ。

元日の夜、鴨鍋。
毎年のことである。

鴨肉は暮れに、ハナマサで買ったもの。


味は、甘辛。
入るのは、芹。

鴨といえば、ねぎがよくいわれるが、
昔から芹も使われた。
私は、甘辛の場合は芹の方が、うまいのではないかと思う。


(ねぎも、少し用意。)

すき焼き用の鉄鍋。
すき焼き同様、脂身を先に溶かし、脂を馴染ませ、
割り下は面倒なので、酒、しょうゆ、砂糖を直接鍋に入れ、


鴨肉、芹を照り煮にし、火が通ったら、
すぐに割りほぐした玉子で、食う。


うまい、ものである。


さて、次は二日。

食べすぎてはいけないと、余っていた、鴨。
呑んだ後、夜、蕎麦が食いたくなり、鴨せいろ、に、してみた。

暮れの年越しそばを、鴨せいろにすることもあるが、
今年は明けてから。

呑んだ後、といっても、ほとんと、三が日は
ずっと呑んで寝ていたので切れ目がない、のだが、、。

年越しそばの、まつやのつゆが余っていたので、
これに桃屋のつゆを少し足し、細かく切った鴨の脂身、
ねぎは大きく切ったものを、一緒に煮る。
最後に三つ葉を散らす。


鴨の脂だけなので、正確にいうと、鴨せいろではなく、
鴨汁せいろ。

そばは、乾麺、で、あるが、つゆがうまいので、十分。

家で、これが食えれば、なんの文句もなかろう。


さらに、これは三日。

初詣以外、ほとんど予定がない寝正月なのだが、
今年は、芝居(歌舞伎)を内儀(かみ)さんと
見に行こうと計画していた。
芝居は夜からなので、これは、出かける前の第二食。

もう一つの鴨鍋。
鴨鍋セカンドバージョン、で、ある。

元旦の夜は先に書いた、甘辛の鴨鍋であるが、
これは、細いねぎと共に、素焼にして、しょうゆで食うというもの。
実のところ、池波レシピ、で、ある。

なにしろ、1kgほど鴨肉はあったので、いろいろと
バリエーションができるのである。

入れるものは、ねぎだけ。
それも斜めに火が通りやすいように、
できるだけ細く切る。

つけ汁は、しょうゆだけだと、辛すぎるので
酒を少し加えて、一度沸騰させ、煮切っておく。

今日は火鉢で、小さな鉄鍋。
炭の量も増やし、強めに熾す。

やはり、脂身から焼き、肉とねぎを入れる。


鴨肉はどちらにしても火は通しすぎない。
よって、ねぎも細く切るのである。


煮切ったしょうゆで食うのだが、これが滅法うまい。
甘辛もいいが、それ以上かもしれぬ。

ねぎとの相性も抜群。
なんというのか、鴨の脂で、しんなりした
ねぎのうまさ、あまさ。

むろん冷めてはだめで、焼けたそばからどんどん
つけ汁につけて、食う。

今日はビールにしたが、むろん酒でもよい。

しょうゆだけで食う、鴨とねぎ。
簡単だが、鴨の食い方としたら、
ナンバーワンではないかと思うのである。

鴨三昧の三が日、である。




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