断腸亭料理日記2009

インドマグロ・ねぎま

7月11日(土)夕

土曜日。

第一食は、昨日書いた、蛤飯(?)。

その後、引続き、事務作業。

昼前に荏原町まで外出。
相談事があり、叔母、従姉と会食。
(駅近所の秀というところで和定食のようなもの。)

このあたりは、私の父祖の地である。

正確にはこの近所ではあるが、大井町の滝王子と
呼ばれていたところ。父方の曾祖父(ひいじい)さん
までさかのぼると、江戸の頃は、代々百姓で、庄屋をしていた、と、いう。

今でも、本家やら、こうして、従姉、叔母などは
この近所に住んでいる。

祖父は三男で、定職もあるような、ないような、で、
私の父の代には、この地を離れており、
子供の頃に、遊びにきた記憶が、微かにある程度で
成人してからはあまりいききもなく、
土地勘はまったくない。

荏原町は品川区の端っこ。
商店街を歩くと、細い路地で、下町といってよいような
雰囲気、で、ある。

どうなのであろうか、住んだこともないので、
断定的なことはいえないが品川区、大田区は、一部には
山手、超高級住宅地もあるが、基本的には下町
といってよいのだろう。(この一部のお屋敷町で、全体としては、
下町とはいわれない、そういうことであろう。)

歴史的には、江戸近郊の農村から海岸沿いは漁村
(明治以降は、海苔養殖の本場)、その後、町工場のある下町へ。
または、高輪あたりのお屋敷町が南に伸びたものが
高級住宅地として、点在している、
そういうことではなかろうか。

蒲田、などは、南の北千住、あるいは、錦糸町?と、
いってよいようにも思う。

このあたりを歩いてみて、
やはり、私のルーツは、こういうところにあるのは、
間違いないかもしれない、そんなことを確認できたような
気がする。

先年亡くなった、もう一人の叔母の墓参りを
従姉らとし、ビールを呑んだので、ぶらぶらと
浅草線の馬込駅まで歩き、帰ってくる。

今、都営浅草線は、快速運転の列車がある。それのあたり、
本来ならば、蔵前で降りるのが、浅草駅まできてしまう。

いつものように観光客でにぎわう浅草。

雷門通りを西へ。
旧仁丹当前を左に折れ、田原町の交差点、右へ折れて、
赤札堂(スーパー)をのぞいてみる。

いろんな種類のまぐろが今日は豊富である。
刺身、か。
さっき食べたし。

まぐろのアラがあった。
インドマグロ養殖、オーストラリア産、加熱用。
見えるところに脂のありそうな部分も見える。

うまそうだ。
煮てみようか。

缶チューハイなども買い、菊屋橋の豆腐やで、
一緒に煮ようと、白滝(例の極細、腰のある大原本店のもの)、
焼豆腐、それから木綿も一丁。

帰宅。


それにしても、インドマグロ養殖、オーストラリア産
という表示は、なかなかインパクトがある。
少し前に、マグロの種類を概観したことがあった。

インドマグロは、ミナミマグロともいい、
南の方に、住んでいる。
それで、オーストラリア、なのだろう。
養殖というのは、正確には、蓄養という、
稚魚を獲ってきて、生簀で大きくしたものと、
思われる。

ともあれ、日本人は、
世界中からマグロを買い集めている。

アラは、一口に切る。

と、いっても、脂のある腹の部分は太い骨が走り、
切りにくいので、骨に沿って、切る。

焼豆腐、白滝、ねぎもそれぞれ、食べやすい大きさに切って、
鍋へ。

砂糖は入れず、水、しょうゆ、酒。

煮立ったら、アルミホイルで落としぶた。

弱火で煮込む。

が、脂があるので、煮込みすぎはいけなかろう。

5〜6分。

ねぎが煮え、焼豆腐、白滝に色が付けばよいだろう。

OK。

脂のありそうなところを取って、
盛り付ける。


一緒に買ってきた、缶チューハイをあける。

柔らかく、脂もあって、案の定、うまい。

大原本店の白滝もうまいし、焼豆腐もうまい。

これが、250円、と、いうのは、まあ、
マグロのアラの相場だろうが、この味としては、安かろう。

うまい、うまい。

こういうものが食べられる、というだけで、
幸せである。







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