断腸亭料理日記2009

松輪の鯖

7月16日(木)夜

火曜日に関東甲信越は梅雨明けし、
毎日暑い。

月曜日には同僚と上野の山の、精養軒のビアガーデンへいってみた。

7時頃までは明るく、蓮が生い茂った、夕焼けの不忍池の風景は、
思いがけず美しい。
また、山の上の屋上とあって、風が通り、思ったよりも、涼しい。

昔は、ビアガーデンというのは、涼しいところであった。

しかし、今どきの東京都心部のビアガーデンというものは、
ビルの谷間。暗くなっても、熱風が吹き荒れている。
誰が好き好んで、外のこんな暑いところで
ビールなんぞ呑むのか、というばかりの、暑さ、で、ある。
そんな中で、ここは東京にあって、希少なビアガーデンであろう。

と、これ以来、毎日、暑い、暑いで、呑みすぎ。
早くも夏バテぎみ、ではある。

今日は、ちょいと早く引けて、吉池をのぞく。

と、鯖。
それも松輪のものがあった。

東京で鯖といえば、三浦半島、松輪

やはり、吉池で見つけ、なん回か食べている。

2008年9月

2008年5月

しかし、ご存知のように、鯖の旬は、冬。

まあ、時期のものは、鮨やなどにいってしまい、
吉池などには出回らないのであろう。

ということで、今年も見つけた、松輪の鯖。
一本、500円。

近くにいた、店員のおかあさん、
(年配の女性)を呼んで、選んでもらう。
お腹がぷっくりしているのは、子があるのよね、、
と、ちょっと、なん匹か腹を押してみる。

、、、あー、、。

どれも、ぷっくり。

まあ、仕方がない。
だから、この値段、なのかもしれぬ。

ともかくも、買ってみよう。

帰宅。


こんな感じ、で、ある。

どうであろうか。
頭を落として、腹を割いてみる。

おっと、やっぱり。
雄のようで、白子が入っている。

どんなものであろうか。
ともかくも、三枚におろす。

なるほど、脂がのっている、という感じではない。

塩をする。


しばらく、このままにしておいたのだが、
この暑さ、で、ある。
なにか、このまま常温に置いておくのは、
どうにも、気が引けてくる。

冷蔵庫に入れる。

二時間。

もうよいか?
出してみる。

あれま。

普通であれば二時間も置けば、だいぶ水が抜けるが、
冷蔵庫では、あまり抜けていない様子。
そういうものであったか。

しかたない。
洗って、酢に漬ける。

さらに一時間。
これは、常温。

だが、やはり、水分が抜けた分しか、酢は入らない。

どうであろうか、切ってみる
案の定、表面だけ。

ともあれ、盛り付けてみる。


ビールを抜いて、食べる。

水分が多く、あまり酢は入っていないが、
どうしてどうして、これはうまいぞ。

脂が多いわけではないが、なんともいえず、
上品なうまみ、が、ある。

やはり、松輪の鯖は、特別、なのか。
驚き、で、ある。
鮮度、も、よいのだろう。


さて、鯖は、酢からあげ、ラップをせずに、
冷蔵庫に。

飯も炊く。


随分と遅くなったが、例によって、にぎり鮨、に、してみた。


当初よりは、少し酢も入った。
酢飯と合わせても、やっぱりうまい。

子のある、真夏の鯖、で、あるが、
松輪のものは、やっぱり別格、であった。
毎度いう、単なる、名前だけのブランドだけでは、ない。

うまかった、うまかった。







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