断腸亭料理日記2009

焼鳥

6月6日(土)第一食

さて。土曜日。

朝、起きて、NYに仕事の電話。

それから、なにを食べようか、考える。

そうである。
焼鳥にしよう。

今週、いつであったか、自分で作って、食べようと思っていた
のでだが、果たせなかったものである。

焼鳥、と、いうのは、こういう季節になってくると、
食べたくなるもの、で、ある。

前に書いたことがあるようにも思うが、
拙亭には焼鳥のたれ、が、ある。

むろん市販のもの、で、はなく、
自作をしたもの、で、ある。

いわゆる、甘辛いたれ、と、いうのは、
甘辛いしょうゆと砂糖などの入った、つゆを
煮詰めたもの。

穴子の煮汁を煮詰めて、例の鮨やの甘辛いたれ、
が、できるわけだが、これは随分昔から作っている。
(作り方は、最近大分進歩しているが。)

自分としては、これの応用で、鶏皮などで出汁を取った
甘辛のつゆを、トロトロになるまで煮詰めたもの。

今、拙亭には、都合3種類のたれがある。
穴子のもの、それから、その他煮魚のもの、
それから、この、鶏、の、もの。
それぞれ、ジャムの空き瓶に入れて、冷蔵庫に入れてあり、
使っている。
半年も余り放っておくと、カビが生えてくるが、
1〜2か月であれば、なんの問題もない。

さて。

焼鳥、は、むろん、竹串に刺して焼くもの、で、あるが、
これは面倒くさい。
なにが面倒かというと、刺すというのが
けっこうな手間がかかる、のである。

どうして、焼鳥は竹串に刺して、焼いたもの、なのであろうか。
別段、串に刺さなくとも、網などで焼いて、
たれで、つけ焼き、に、すれば、できる。

串に刺して、焼いたもの、というのは、どういう
成り立ちなのか、ということ。
いつ頃からあるのだろうか。

おそらく、古い、のだろう。
囲炉裏、などで、魚などを串に刺して焼いたのが
よくある。ああいった、たき火のようなもので
物を焼くのに、棒に刺して、地面などに刺す。
始まりはこのあたりではなかろうか。

箸などがなくとも食べられ、現代の立ち呑みなどでも
そうだが、立っても食べられる。
前に鮨の考察でも考えたが、串に刺されているので、
ワンハンドで食べられ、ファストフード性も高く、
少量ずつ多くの種類のものが食べられる。
こうした点で、焼く以外にも、串揚げなど、揚げ物になったりし、
一つの調理法、提供法のジャンルとして継続しているのだろう。

また、串に刺した焼鳥、というものは、日本以外にも
世界中広くある。
インドネシアなど、東南アジアにある、サテは、
味付けは少し違うが、ほぼ日本の焼鳥と同じもの、であるし、
中国、から中央アジア、インド、アラブまで、
鶏ではないが、羊や牛の串、シシカバブ、が広く一般にある。
(そういえば、欧米には、串に刺して焼いたものは、
あまりないようだが、わけがあるのだろうか。)

ともあれ。

自分で焼く、のであれば、串に刺さなくともよいだろう。
魚を焼く、グリル、で焼こう。
焼きようによっては、これでも十分だろう。

まずは、冷凍庫に凍っている、鶏もも肉を一枚
解凍する。

解凍をしたら、一口に切る。

これを、グリルの網に魚などと同じように置いて、
そのまま焼く。

状態をよく見ながら、火加減を調節する。
軽く、両面、焦げ目が入る程度。

そうだ、長ねぎの白いところも一緒に焼こう。

焼鳥らしい。

ねぎを焼いたものは、あまくてうまい、ものである。


さて、たれの方、で、ある。

これは冷蔵から瓶を出し、固まっているので、レンジで解凍。
これを鍋に移し替え、一度煮立てる。
味を見て、少しトロミが、足らぬので、しょうゆと
砂糖を加えておく。

ここに、焼けた鶏を入れ、からめる。


もう一度、グリルに戻し、両面焼く。

これで完成。
盛り付け。


一緒に、塩らっきょ、も、出す。

これは2週間ほど前に、生の島らっきょう、を買った。
ご存じであろうか、最近出回るようになっているもので、
沖縄のらっきょう。沖縄料理や、などで食べたことがあったが、
今年東京のスーパーにも並んでいるのを見て買ってみた。
いわゆる、内地のらっきょうよりは、ふくらみが小ぶりで、
ノビル、や、エシャロットに近い感じのもの、で、ある。
この時は金山寺味噌をつけて、生で食べたのであるが、残ったので、
塩漬け、に、しておいた。
濃いめの塩水に漬けておき、二週間ほどかかるが、
冷蔵庫に入れておけば、塩らっきょ、に、なる。
(と、いうことは、エシャロット、も、塩漬けにすると、うまい、のではなかろうか。)

焼鳥もなかなか、うまく焼けた。
たれの、からみ、も、よい。

ねぎもうまい。

午前中であるが、ビール。

さてさて、今日から、鳥越祭、で、ある。




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