断腸亭料理日記2009

穴子 その2

今日は昨日の続き。

夜。一本、150円で買った、脂ののった穴子を
千束通り商店街の魚や、魚壮で購入。
これが、すばらしくうまい、煮穴子になり、
同じ魚やで買った、マグロで山かけ、平目の刺身、

ボイルやりいかも食った。



さて。

穴子は、鍋から上げて、容器に移しておく。
これから、煮汁は、再度煮詰めて、甘いたれに戻す。

これはもう、砂糖を加え、時折、アクをすくいながら、
煮たてるだけ。
そして、じっくり、煮詰める。

煮詰めて、もう一度、瓶に入れる。


さて、さて。

うまい、煮穴子がたくさんできたが、どうしようか。
むろん、このまま、少しずつ、つまみで食べてもいいのだが、
やはり、飯とともに、食べたいもの、で、ある。

いつもやる、押し寿司というのも、すぐに思い付くのだが、
このように柔らかく煮た穴子は、押すとつぶれてしまい、
無理であろう。
とすると、丼、にしてもよいか。
ともあれ、飯を炊こう。

米を研ぎ、1時間ほど浸水させ、スイッチを入れる。

ぼんやりテレビを見ながら、ゴロゴロしていて、、、

ん!

丼ではなく、酢飯にしてみたら、と、気が変わった。

むろん、自分で鮨はにぎれないが、酢飯にのせて
食べてみればいいか、と。

スイッチを入れてしばらく経っているが、
炊飯器の前へきてみる。
酢飯用のカタメモードになっていたか、気になったのである。
ん?
よくわからないので、一度切って、もう一度
カタメモードに入れ直す。

小一時間。

もう切れてもいいが、と、見にいくと、既に切れて
保温モードになっている。
音が鳴らなかったのか、、、。
少なくとも、気が付かなかった。

ふたを開けてみると、炊けてる。
数回、返して、再度ふたを閉じる。
今日は、蒸らし時間はちゃんと取ろう。

その間に、鮨酢を作っておく。
今日は、半合分でいいだろう。
酢は、20ccちょい。

10分ほど待つ。
半合分、ボールに取り、酢を合わせ、混ぜる。
ひと渡り混ぜ、全体にいきわたらせる。

ん?なんとなく、ちょっと飯がヘン。
やっぱり、途中で一度切って、入れ直したのが
いけなかったのか。

どうヘンなのか、うまく説明できないのだが、
半生まではいかないが、適正時間よりも前に、
切れて時間が足らなかったような、様子である。
どうも私には、相変わらず、酢飯は鬼門である。

ともあれ。

酢を合わせ、今日は多少、団扇であおぎながら
冷ます。
そして、荒熱が取れるまで、待つ。

穴子は、切って軽く、オーブントースターで温める。

小さな瀬戸物の器に一口分の酢飯を入れ、
穴子をのせ、一つは、たれ、もう一つは、塩をのせ、
新橋、しみづを、真似してみる。


やっぱりうまい。
酢飯は、心持ち、ヘンだが、まあ、許容範囲。
たれ、塩、ともに、うまい。

自分で作って気が付いたのだが、塩がうまいのは、
もともと、比較的濃いめに味が付いているせいである。

それにしても、やはり、穴子は、酢飯との相性が抜群である。

一昨日配信分の、小肌と今日の穴子、この二つ。
たまたま続いたが、やはり江戸前の鮨種とすれば
双璧、龍虎、と、いってよいだろう。

一般的にもこの二つは、人気は低くはないだろうが、
マグロなどよりも、よほどうまいものだと、私には思える。
マグロは食べなくとも物足りなさは感じないが、
この二つを食べなければ鮨やにきた気はしない。
小肌と穴子のない江戸前鮨は、とても考えられないだろう。
また、東京の有名どころの鮨やなら、どこでも力を入れている
だろうし、また、私にはそこまではわからないが、
その店の実力を見るには、この二つ、などという人もいる。

江戸前にぎり鮨の花形。
また、この二つの種に江戸前鮨のすべてが凝縮されている
ともいえよう。

そう。どちらもいわゆる、“仕事をした”種、で、ある。
この二品は、冷蔵設備の発達した現代にあっても、
変わらず、酢〆、煮る、という仕事をして、酢飯に合う、
にぎって最高にうまい、にぎり鮨の地位を保ち続けている。
そういう種、で、あろう。

さて、最後におまけ。
翌、朝飯。

やりいか、に、たれをかけて。
それから、味噌汁はなめこの赤だし、それから塩らっきょ。



これもまた、うまい朝飯。


充実の週末、で、ある。




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