断腸亭料理日記2009

小柱 その2

さて。

今日は、昨日の続き。

小柱。

刺身、わさびじょうゆで食べて、かき揚げにかかっている。


5月16日(土)夜


かき揚げも、今まで、なん度も失敗を繰り返してきた。
天ぷらの中では、最もむずかしいのではなかろうか。

第一のポイントは、衣の堅さ。
ゆるすぎると、散ってしまい、形にならず、
具も衣もなく、大量の揚げ玉ができる、という
あわれな状態になってしまう。

あるいは、堅すぎると、厚すぎたり、団子になってしまい、
真ん中まで、火が通らない。

衣がある程度堅く、厚みがあっても、実は、真ん中まで、
火を通す裏技もなくはない。
これは、先の、衣が固まった最初の段階で、
厚みのありそうな部分に揚げ箸で、穴を開けておく、のである。
こうすれば、この穴から、油が通り、熱も通る。

今日も実際に、穴は一つであるが、開けておいた。

一回目、揚げ上がり。

続けて、すぐに、もう一つ。
油温は高めをキープ。
同様に、お椀に用意し、今度は、一気に投入。

今度はうまくいった。
一つのかき揚げにまとまったが、若干やはり、
先ほどのものよりも、厚みがある。

10秒待って、厚そうな部分に、穴を開けておく。

よい色まで。

あげる前に、もう一度、厚みのある部分に揚げ箸を刺し、
火が通っているのを確認する。

OK。

揚げ上がり。


なかなか、よい感じ。

切ってみる。


こんな感じ。

食べる。

なかなか、よく揚がってはいると思うのだが、
もう少し、軽く揚がった方がよいように思う。
火は通っているが中心は、サクっとは、いっていない。
衣そのものの量が多かったのか、気持ち堅かったのか、、。

やっぱりむずかしい。

そして、もう一つ。
小柱が、小さい。

ここに、行き当たる。

今回、内儀さんと私の分で、2つ分のかき揚げは、
トレー1枚分をそっくり使った。

それでも、もう少し、小柱の存在感があってほしかった。
最初にも書いたが、本来、小柱はこういう大きさ、
だとすると、かき揚げ自体の大きさを小さくし、
衣の量を減らす、と、いうことか、、。

さて。

まだ、トレーに、半分弱ほど、残っている。
残したのは、また、つまみで、食べてもいい、と、思ったからである。

が、やっぱり、鮨、と、考え直した。

小柱は、ご存じのように軍艦巻、で、ある。
むろん、私は鮨はにぎれない。
この前の穴子のように、酢飯にのせて食べてもよいか、
と、思ったのである。

深夜にかけて、米を研ぎ、飯を炊く。

今日こそは、ましな、酢飯を作ろう。

(いつも、焦ってしまうので、今日はじっくり、と
自分に、いい聞かせて、、、。)

まずは炊飯器は、無事に切れた。

ここから、10分強、しっかり待つ。

鮨酢、20cc強を用意。

ふたを開け、二合の1/4をボールに取り、鮨酢を混ぜ込む。
しゃ文字で切りながら一気に。

混ざったら、また、ここで、粗熱が取れるまで、落ち着かせる。

酢飯だけをちょっと取って、食べてみる。
よし。今日はよさそうだ。

ちょっと、試しに、軍艦巻用に、にぎってみようか。
海苔も焼いて、細く切っておく。

手を湿らせ、酢飯を取って、職人のように、にぎってみる。
お!。なんとなく形になった。

海苔を巻き、小柱をたっぷり、のせる。


それらしいものができたではないか。

あ。

わさびを入れるのを、忘れてしまった。
まあよい。しょうゆをつけて、そのまま一口で、食う。

おお、うまい。
潮の香り。
あまい、小柱。
そして、やはり、酢飯との相性も抜群。

残りは、小皿に酢飯とともに盛り、わさびじょうゆをかけ、
もみ海苔も散らす。


むろん、これでも、うまい。

小柱、酢飯、わさびじょうゆ、そして、海苔。
この三つの絶妙な溶け合い、で、あろう。

さてさて、小柱。
うまいもの、で、ある。

しかし、この小さな粒では、やっぱり、
正解なのかどうか、よくわからぬが、
どうしても、たっぷり、が、うまい、で、あろう。




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