断腸亭料理日記2009

西浅草・関西すし・

468(ヨーロッパ)その2

今日は、昨日のつづき。
西浅草の468(ヨーロッパ)という

関西ずし割烹の店。

昨日は、おひたし、刺身、はもの小鍋まで。
次に出てきたのが、いちじくの胡麻がけ。


そうである。
書き忘れていたが、ここの皿は、小鉢も皿も、徳利も、
お猪口まで、すべてが真っ白、で、ある。
形も、特に凝っているということもない。

すし割烹なのに、であるが、これはこれで
この店と、ご主人を表しているようで、よいように思う。

いわゆる、和風の器でもなく、
かといって、新和風というのか、小洒落た、
感じというのでもない。

この店に入った時に、ご主人の口から出た、
私の、修業不足で、、という言葉。

この言葉通りに、白紙から頑張ってます、
というように見える。

ともあれ。
いちじく。

白胡麻のたれ、が、胡麻豆腐のように
濃厚。

これがまた、ちょっと、クセのある、グドめの
いちじくに合う。
京料理では、ある程度、一般的な
組み合わせなのかもしれない。

次に出てきたのは、メヒカリの干物の焼いたもの。


私はあまり食べないが、最近、吉池などでも
並んでいるのをよく見る。

身が柔らかく、小さいながら、
脂もたっぷりで、うまい。

メヒカリ、と、いうくらいで、目が大きい。
目が大きく、身が柔らかい、というこの姿は、
深海魚に近いのではないだろうか。

穴子の骨の揚げたもの。


穴子の骨は店の中、いたるところに釣り下げて
干してある。
塩味で、うまい。

出ました。すし。


ないといっていた、穴子の棒すしが、少しあった
ので出してくれた。
はものように、骨切りをして、焼いて
たれを付けて(逆かも)酢飯に巻いたもの。

真ん中は、鯖が二切れずつ。
鯖がうまい。

脂もあるし、〆具合も、よい按配。

今年は、鯖がよいかも。

一番奥が、玉子焼き、海老、それから、
ちょっとわかりずらいが、白身。
(これは、押し寿司、箱寿司、と、いうのか。)

白身はなにかと聞くと、きす、という。

最後に、おつゆ。


名物、芋吸い、と、店の中にも貼り紙がしてある。

見た目には、とろろ昆布のおつゆ、の、よう。
飲んでみると?
濁っているのは、芋をすり下ろしたもの?
そして?
実が入っている。
実は、食べてみると、芋の団子、の、よう。
小海老が練りこんである。
あれ?、この団子は、
油で揚げてある。表面が揚げた食感。
微かに香ばしい香りもする。

聞いてみる。

私は、和で、京都だから、という先入観で、里芋ですか?
と聞くと、じゃが芋です、と、ご主人。

出汁も濃く、ちょっと目先が変わり、
おもしろい。
やっぱり、修行をされた、すし岩の看板であったらしい。

さてさて。
うまかったし、
若いご主人にも好感が持てた。

京都でやっていてもだめだ、
東京へ出てきて、それこそ、裸一貫(なのか?)
やってやるぞ、ということで、
ここに店を開いたということ。
(お金もあまりなく?)

アド街で、取り上げられ、お客が列をなし、
とてもやってられない、と、
アド街鬱(?)になり、休んでもいたという。
これが少し前。

だが復活。
こんなところも、好感が持てる。

せっかく、はるばる京都からこの地、浅草、
ご近所に店を開いてくれた。
あたたかく、見守ってみたい
そんな店、で、ある。


468
東京都台東区西浅草3-23-14




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