断腸亭料理日記2009

柳橋・美家古鮨・立喰処

9月8日(火)夜

だいぶ涼しくなってきた。
もう、朝晩の往き帰りは、上着を着てネクタイを
締めている。

こう涼しくなってくると、よいだろう。

浅草橋の美家古鮨の立ち喰い

暑い頃は、美家古鮨の、手を洗いながら
つまむスタイルが、少し気になり、ひかえていた。

帰り道、いつもは、牛込神楽坂から大江戸線だが、
市ヶ谷から総武線。

浅草橋、改札を出て、階段を降り、右に。
ガードをくぐって、南側に出て、さらに右。

美家古鮨本店・立喰処。

表の戸は開け放たれている。

ここは親方一人。
ちょっと、北関東の訛りのある、丸顔、角刈、眼鏡。
優しげな方。

先客は、若い女性二人。
カウンターの左奥。
親方と、親しげに話をしている。
行き着けなのだろう。

そう。

ここは、若い女性のお客も少なからず見かける。
ことによると、一人で、つまんでいる姿もある。

この浅草橋界隈は、今、女性がたくさん訪れる
問屋さんが多い。

ラッピング洋品といえば、東京では、シモジマ。
この界隈に6店舗。

あるいは、アクセサリー、手芸用品関係の店も
数多くある。

もともとこの界隈は、江戸の頃から、
ご存知の秀月、久月、など人形店が軒を連ねていた。
その関連で、なのか、おもちゃ、花火。
または、いわゆる、造花などの、飾り物。
文具、事務用品。
これらの関連問屋さんが集中してきた。

こうした女性向け商品の問屋さんに勤めている
女性も多いのであろう。

しかし、私なんぞの若い頃、20年ほど前でも、
女性だけで、こんなガード下の立ち喰いの鮨やに入るなぞ、
考えられなかった。

ラーメンやなどにも女性を見かけるようになり、
最初は違和感もあったが、最近はもうあたり前の光景として
馴染んでいる。

違和感の理由は、男だけの業態は、それなりの
男のリズムとルールがあり、それがわからない女性が
入ってくることであった。
並んでいるラーメンやでは、無言で食べて、すぐに出る、
これが男のルール、で、あった。
こういうところで、べちゃべちゃ喋りながら、長居をする、、
そんな女性達も、当初は、見かけた。

今、馴染んでいるというのは、こちらも慣れた、
というのもあろうが、女性もわかってきた、と、
いうことであろう。

最近は、むしろ男達の方が、問題である、
あたりかまわず、声高にベチャベチャと喋り、いつまでも座っている。
そんな光景も、多く見るようになってきたように思う。
特に、このところ思うのは、出張などで乗る、
新幹線など長距離の列車、あるいは飛行機。
この中で出会う、大学生くらいの若い男達。
DSやらのゲームをしながら、とにかく、ベチャベチャ、よく喋る。
うるさいこと夥(おびただ)しい。

草食系男子、肉食系女子、と、いうこと、で、あろうか。
わからぬが、閉じている、若い男達が
増えているのは間違いないだろう。

これには、複雑な思いもなくはないが、
結局、こうした飲食店、列車など、
公共の場でのマナーは、守ってくれればよい。
女性でも守ってくれるのであれば、歓迎されるべきであろう。

ともあれ。

美家古鮨、立ち喰い。

店に入り、アタッシュケースを下に置き、上着を脱ぎ、
壁に掛ける。

ビール(250ml、缶)をもらう。

しょうゆ皿を取り、しょうゆを満たす。

まぐろと、いか、から。


ここは、いつもそうかもしれぬが、
二個のうち、一つは中トロ。
うまい。

ここでは、その都度、次が、にぎられるまでに、
手元の蛇口で手をすすぎ、自前の手拭で、ぬぐう。

私の場合、鮨やで、にぎりをつまむ場合は、箸は使わない。
普通は、おしぼりでその都度、手を拭くのだが、
ここでは、おしぼりがなく、こういうことになる。

いか。


次は、鯵と小肌。


鯵はみずみずしく、
小肌の〆具合もよく、うまい。

むしあわび。


甘いたれをつけて、うまい。

〆は、柳橋美家古系お得意の、太く巻いた鉄火巻。


腹一杯。

うまかった、うまかった。

勘定は、2000円ちょい。

ここから、元浅草までぶらぶら歩いて、
帰宅。

このくらいの気候になると、15分ほど、
歩くのも気持ちよい。




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