断腸亭料理日記2010


1月3日(日)夜

銀座から帰宅し、夜。

呑み直そう。

正月といえば、鴨。


毎年、鴨鍋を、甘辛に芹だったり、ねぎ、
だったり、してきた。

また、昨年は、東日本橋の、あひ鴨一品 鳥安へもいった。
ここで学んだのは、焼いて脂を抜いた、
脂身のうまさ。

鳥安では、脂身から脂を出し、鉄鍋で鴨肉を焼くが、
最後にこの脂身をおろしじょうゆで食べる。
ひょっとすると、これが最も鴨のうまい食い方
ではないか、と、思うくらいである。

鴨は、今年も、一応、暮れに、ハナマサで買っておいた。

まだ食べておらず、今年は、鍋ではなく、
鴨のうまいところだけを抽出した、
つまみにしてみようかと考えた。

まずは、鴨もも肉にぶ厚く付いている
脂身を取る。

脂が出やすいように、薄くスライス。

これを、フライパンで焼く。
最初は弱火。

カリカリに焼くのが目的。
脂が出てきたら、フライパンを斜めにし、
その脂で、さらに揚げるようにしながら、
脂を出す。

鴨の脂、と、いうのは、むろん、豚とも違うし、
鶏とも違う。

鴨の脂身からは、どんどん、どんどん、
おもしろいように、脂が出てくる。
それも、よい脂、で、ある。

切り取った、赤身の肉も焼く。

この脂は、無駄にはしない。
ねぎに、吸わせよう。

これは、ねぎと、しょうゆだけの鴨鍋から、で、ある。

薄くスライスしたねぎをフライパンに入れ、
炒めながら、脂を吸わせる。

すぐに火が通り、完成。

盛り付け、しょうゆをたらす。

これで完成。


もっと、ねぎを入れてもよかったか。
脂が残ってしまった。

脂の抜けた、脂身、が、またうまい。
赤身の肉も、レアで、よい味。

味付けは、しょうゆだけで、必要十分。

そばやなどでは、鴨といえば、脂も一緒に
スライスし、焼いただけのものが多い。

むろん、赤身の肉も軽く焼けば、うまい。
しかし、やっぱり、脂をよく抜いて、こんがり焼いた、
脂身も、そうとうにうまい。
そして、その脂を十二分に含ませた、ねぎ。
これも、うまい。

鴨の脂身からは、大量の脂が出るもの、で、ある。
残った脂。
これ、どうしようか。

ここで、思い付いたのが、
「煎り鴨の肉と生卵をかきまぜた飯」
これは、剣客商売。
秋山大治郎が作るもの。

しょうゆと酒で、炒めた鴨と割りほぐした生玉子
を飯にぶっかける、と、いうもの。

これも肉もさることながら、脂身から出る脂が
ポイント、で、あろう。

そこで、残った脂をレンジで温め直して、
生玉子を割りほぐしたものを、入れてみよう。

ちょいと、しょうゆも足す。

むろんのこと、これもまた、うまい。

鴨、堪能、で、ある。






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