断腸亭料理日記2010

神田駿河台・山の上ホテル・

天ぷら山の上 その2

1月15日(土)夜

さて。

今日は昨日の続き。
神田駿河台、山の上ホテル、天ぷら山の上。
買ったばかりの縞の着物を着て、出かける。

昨日は、最初の海老の頭三つ、まで。

これは、塩で。

次は、海老本体。


軽く揚がっており、うまい。

小玉ねぎと、見たところ、アスパラかと思ったら、
満願寺唐辛子。


これくらいのところ、で、あれば、当然だろうが、
唐辛子も、食感よく、サクッと、揚がっている。
玉ねぎは、ほくほくでうまい。

きす。


ちょっと、小ぶりだが、このくらいが、うまい
かもしれない。

いか。


すみいか、で、あろう。
肉厚で、うまい。

先ほどの野菜もそうであったが、
ここは、比較的、衣が、しっかりした、堅め、ではなかろうか。

穴子。




最後は、下のコースであったせいか、
天丼などではなく、普通のご飯にお新香と
赤だし。

赤だしは、蜆。
飯は天ぷらやらしく、堅めに炊かれており、
うまい。

デザートは、おそらく自家製であろう、
りんごのシャーベット。
余計な甘味を加えていないようで、うまかった。

やはり、もう少し上のコースにすればよかったのか。

そら豆のかき揚げ、と、いうのが、ここで、かの近藤氏が、
始められ、池波先生の好物であったという話しも、残っている。

(そら豆のかき揚げを、崩して、飯に混ぜ込んだもの、も
先生の好物であったという。また、ここではなく、銀座いまむら
あるいは、さらに今村氏がまだ、花ぶさにおられた頃のこと、
かもしれぬ。文庫版の「銀座日記」の佐藤氏の書かれた、解説であったか
には、先生の臨終前の病床にそら豆の天ぷらを運んだのは、
今村氏であると、書かれていたような記憶もある。
まあ、どちらにしても、先生がそら豆の天ぷらが好きだったこと、
飯に混ぜ込んで食べるというのをやっていたこと、は、
間違いのないことなのであろう。)

で、これを別に頼む、と、いうのもあったのだが、
今回は、控えた。

全体を総合すると、天ぷらとすれば、東京の天ぷら店の天ぷら、
という感じとは少し違い、今の日本の一般的な和食、
いわゆる割烹料理店、の天ぷら、に印象とすれば近いようにも
感じた。(実際のところ、朝食だったり、ここでは、
普通の和食のメニューも出している。)

むろん、下のコースでもうまいし、レベルも高いと、思われ
満足もした。

ただ、この値段は、単に、天ぷらの値段ではなく、
山の上ホテルという場所と、サーヴィスも含まれた値段、と、
考えた方がよいのかもしれない。
実際にサーヴィスは大きな一流ホテルとはまた違った、
小回りのきく、きめ細かなもの、とも感じた。

単純に、街場の有名店、例えば、茅場町みかわ、だったり、と
比べることは、おそらく意味がないのであろう。

建物自体に歴史があり、さらに、池波先生をはじめ、
様々な人々の歴史が積み重ねられたこの場所あっての、
天ぷら、と、いうことであろう。

さらに、もっといえば、先生のように、ここに滞在し、
今日は、ここの天ぷらコーナーで食べよう。
明日は、坂を下りて、昼は、神保町の揚子江菜館
夕方、猿楽町の蕎麦や、松翁で、一杯。
明後日は、須田町のまつや、、。

そんな並びの中の、天ぷら山の上、で、
天ぷらやとして、取り出すのは、違う、のかもしれぬ。



帰り道は、酒の勢いもあり、寒いが、
着物姿で、お茶の水駅から、電車で帰宅。




山の上ホテル





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